2.他人ではなく、過去の自分と比べる

 他人と比較して落ち込むよりも、「あなたの目標を実現するために、今あなたができること」にフォーカスしたほうが、仕事の成果は出ます。そして、何よりも楽しいはずです。

 実は、ライバルはあなた自身。どうしても比べたくなったら、昨日のあなた、1カ月前のあなた、1年前のあなたと今の自分を比べてみましょう。そうすることで、自分のできているところに気付くことにもつながります。

 評価されているライバルは、もしかしたら、あなたの気付かないところで、コツコツ努力していたのかもしれません。一見、優雅に泳いでいるように見える白鳥も、実は、目に見えない水面下では、必死に足ヒレを動かして水かきをしています。

 もしかしたら、同僚や後輩が必死に頑張った結果、認められたり抜擢されたかもしれないのです。だから、目に見える成果だけを比べてもあまり意味がありません。

 人は人、自分は自分。あなたの目標に着実に近付いていくためにも、どうせ比べるなら、自分の過去と比べてみましょう。

ライバルは、あなたの気付かないところで努力していたのかも 写真/清水知恵子
ライバルは、あなたの気付かないところで努力していたのかも 写真/清水知恵子

3.自分が手に入れたいことを知るためのヒントにする

 それでも、嫉妬やネガティブ思考が止まらなくて、自分自身にうんざりしてしまうこともあるでしょう。そんなときは、ちょっとだけ物事の捉え方を変えてみてください。

 空を飛ぶ鳥や美しく咲くバラを見て、落ち込む人は少ないはずです。なぜでしょうか?

 自分の才能や興味がないことに対して人は、落ち込んだり、嫉妬したりしません。どうでもいいことには、人は反応しないのです。あなたが嫉妬を感じたとしたら、その対象について「自分が欲しい、そうなりたい、興味がある」というサインなのです。

 「嫉妬したこと・落ち込んだこと=自分が本当にやりたい(欲しい)こと」

 嫉妬を、自分の興味や才能に気付くきっかけにしてしまえばいいのです。

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 ここまで3つの対処法をお届けしました。「嫉妬」という一見ネガティブな感情も、捉え方次第で自分が成長するヒントにもなり得ます。

 少しでも気分よく仕事に取り組むためのヒントにしていただけたら幸いです。

文/大平朝子 イラスト/三ツ木朗恵 写真/清水知恵子