「etRouge」創刊以来の人気連載をweb版にて再録。化粧品ビジネス、コスメを仕事にした経営者・社長に「etRouge」編集長・麻生 綾がインタビュー。今回のお相手は、大ヒット美容ローラー「リファ」をはじめ、次々に革新的な商品と話題を提供し続けるMTGの松下 剛社長。

発売当時のリファは「重い、大きい、値段が高い」と総スカン

美容機器をブームでなく、文化として定着させるために。

麻生(以下A):屋台骨の美容ローラー「リファ」シリーズは相変わらず絶好調のようで。勝因はどこにあるのでしょう。

松下さん(以下敬称略):コアにある考え方は、本物であるか否か。それまで美容機器というものは、なんとなく胡散(うさん)臭いと思われていたので、とにかく本物であることを証明しようと。大学や医療関係にも協力してもらい、効果と安全性を徹底追求したのが認められたのではないでしょうか。すべての商品で、日本で一番その分野を研究している人とタッグを組み、第三者機関でエビデンスもとっています。

A:そもそも美容機器でビジネスをしようと思った理由は?

松下:コスメは成熟しているけれど機器は、ニーズはあるのにまだまだ未開発ゾーンでしたからね。

A:でもコネクションも知名度もない状態で、いきなり高価な美容機器。マーケットを開拓するのは大変だったのでは?

松下:まずは美の発信源である、美容室とエステティックサロンに置かせてもらおうと考えました。でも当時のリファは、重い、大きい、値段が高い、と総スカンでね。1軒1軒回ってなんとか協力店を見つけ、テストマーケティングをさせてもらったら、びっくりするくらい反響が。そこから口コミでどんどん広がりました。

A:火がついてからの戦略は?