かつてはITベンチャーの人事・バックオフィス全般を担当し、ハードワークをこなしていた加藤マキさんは今、自らの強みを3つの会社で生かす複業ワーカーとして充実した日々を送っています。働き方を変えるきっかけになったのは、「ライフスタイルを大切にしながら働きたい」という思い。3つの仕事が一体となって相乗効果を生んでいるという加藤さんの「複業ライフ」に迫ります。

「複業」女子の一週間のスケジュールは?

 「好きな仕事を諦めないためにどうしたらいいかを考えることから、今の働き方が始まりました」。

 そう話す加藤マキさんは、VRの市場価値の創造にチャレンジするベンチャー企業「LIFE STYLE」に正社員として在籍しています。その傍ら、アウトドアフィットネス事業を手掛ける「BEACH TOWN」の仕事も請け負い、さらには週1日、インターネットサービスの中堅ベンチャー「サイバー・バズ」へも出社。いずれも担当するのは人事・総務系の業務です。

 さぞめまぐるしい日々なのでは……と思いきや、「3つの仕事には『人が生き生きと過ごせる生き方(働き方)をつくる』という共通点があり、それぞれが影響しあうことで相乗効果を生んでいます。1社で働いていたときよりもさらに楽しいです」と笑います。

加藤マキさん。「複業」先の一つであるサイバー・バズのオフィスにて
加藤マキさん。「複業」先の一つであるサイバー・バズのオフィスにて

 3つの仕事をどのようにこなしているのでしょうか。加藤さんの1週間のスケジュールを見てみましょう。

【月曜】

 東京・南青山にあるLIFE STYLEのオフィスに出社。リモートワークで出社しない日もあるので、会社に来たときは人事担当として社員とコミュニケーションを取ったり、社内の雰囲気を肌で感じたりすることを重視します。

【火曜】

 打ち合わせなどがある場合は出社しますが、それ以外は「リモートワーク実践の日」。自宅がある湘南エリアにサテライトオフィスを借り、南青山まで2時間弱かかる通勤時間を4分の1に短縮して働くライフスタイルを試しています。サテライトオフィスには、他の社員が働きに来ることもあるとか。

【水曜】

 渋谷のサイバー・バズに出社。同社とは週1日、社内広報や採用戦略立案、労務面談といった業務を行います。実働は4時間程度ですが、考え方として「脱・時間給」を目指し、実働時間内で目標以上のアウトプットを出すように意識しているそう。

【木曜】

 サテライトオフィスでデスクワークに集中します。

【金曜】

 「時差通勤の日」。LIFE STYLEは裁量労働制のため、会議の時間などに合わせて出社時間を決め、効率的でストレスのない通勤スタイルを試しています。こうした基本的なスケジュールの中で、スポット的にBEACH TOWNの人事労務や新規案件の事業計画書作りなどの仕事もこなしています。