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真矢ミキが見せた「まき直す」人生 30代どう生きる?

2017年10月25日

40代「ワタシ史上最も輝く季節」を迎えるために今やれること

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ねえ日本、女のピークは20代だとか言ってていいの?

 「パリに住んでいたとき、カフェでたまたま隣合わせた老婦人たちが『ホラ見て』って、バッグに入れて持ち歩いている若いときの写真を見せてくれたんですよ」。フランス在住歴の長い日本人女性が、話してくれました。「でね、それが全員『40代の頃よ。一番輝いていたわ。どう、私美しいでしょう』って言うんです。若くなければ価値が下がると考える日本とは違って、フランス人女性は40代が一番充実していると考えているんですね」

「ねえ、見て。40代の頃の私たち。一番美しいでしょう? (C) PIXTA

 ――え、「40代が一番輝いている」? 一昔前まで「25過ぎたら女じゃない」「女の人生はクリスマスケーキ。24までは売れても25以降は売れ残り」とか、「子どもを産んだら女じゃなくなる」なんて、女性を踏みにじりおとしめるとんでもない無知蒙昧(もうまい)な発言が日常的に横行していた日本では、考えられないほど自由な価値観です。だって、一昔前の日本では「女の賞味期限(その後は廃棄処分)」だった25歳から、さらに20年たってようやくフランスでは「最も輝く」と感じるのですから。

 体力的には決してピークではない40代がなぜ一番なんでしょうね、と私が聞くと、彼女はこう答えてくれました。「はつらつとした美の価値ももちろんだけれど、成熟して憂いを帯びた美にも価値を感じる文化だからではないでしょうか。そしてフランス人の女性観で特徴的なのは、文学や音楽・哲学などの教養や、対等な議論など、女性に知性を求めること。人生経験を積んで手に入れた知性と、憂いを帯び始める肉体、そのバランスがちょうど40代で最高になるという考え方なんですよね」

 「賢い女は、言い返してくるからメンドくさい」「黙ってほほえんで人の言うことを聞くオンナノコのほうがかわいげがある」。そんな物言いこそ、日本では典型的だった時代もあるほど。女性に人生経験や知性を求め、そこに価値を置くフランス社会の成熟度の前に、彼岸と此岸ほどの距離を感じました。

人は皆、やっぱり、諦めずに何か頑張り続けている

 元宝塚トップスターの女優、真矢ミキさんが、この9月に高卒認定試験の5科目に合格し、「高校、大学に行けなかったという人生の穴が自分の中で大きく開いていた。自分はそのときに費やしたもの(宝塚)があるからという考えだったけど、埋められるものなら今から埋めてもいいんだと分かった」と、涙を見せて語ったと報じられました。

 朝の帯番組司会を務める中で、共演する専門家たちの知見に触発されての受験決意だったとか。状況次第では、いずれは必須8科目のうち残り3科目も合格し、大学入学も見据えたいと考えているそうです。

 ですが、もちろん多忙な仕事の中、もう学生時代などはるか昔の記憶となった50代で国語・英語・現代社会・日本史・世界史の5教科の勉強の準備を進めるのが、簡単なことであるわけがありません。仕事の合間に塾で1日5時間缶詰めになる生活を経て、「こんなアホだったのに。すごくないですか」と涙を流す合格へと、たどり着きました。

 努力の量に感嘆するのはもちろんですが、私が感銘を受けたのは「人生に開いていた大きな穴」を50代で埋めようと決意した、その勇気とバイタリティー。真矢さんは中学卒業後に宝塚音楽学校へ入学し、トップスターへと駆け上がった、いわば宝塚エリート中のエリートですが、当時の宝塚音楽学校の制度では、卒業しても高校卒業資格を手に入れることはできませんでした。

 それを「もう仕方のないこと」と諦めてしまわずに頑張り続ける、その心の強さと潔さに、(私よりも年上でいらっしゃる方にこんなことを申し上げるのは失礼と承知で)あっぱれと胸がすくのです。人生は、勇気さえあれば、本人次第でいつでもどういう形でもまき直せるのだなと。

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Profile
河崎 環
河崎 環(かわさき・たまき)
コラムニスト。1973年京都生まれ、神奈川県育ち。家族の転勤により桜蔭学園中高から大阪府立高へ転校。慶應義塾大学総合政策学部卒。欧州2カ国(スイス、英国ロンドン)での生活を経て帰国後、Webメディア、新聞雑誌、企業オウンドメディア、テレビ・ラジオなどで執筆・出演多数。多岐にわたる分野での記事・コラム執筆を続けている。子どもは20歳の長女、11歳の長男の2人。著書に「女子の生き様は顔に出る」(プレジデント社)
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