■「女子なんだからキレイでかわいくいろとか、ルックスの良さや『処女性』や潔癖を求める視線は時代遅れで失礼千万!」

 ■「結婚や妊娠が周りに迷惑をかけるなんて発想は、ダイバーシティに後れを取る日本の職場の悪習!」

 ■「マタハラこそ日本のゆがんだジェンダー観の一つ!」

 そんな思いを「自分のことなら」抱いている私たちですが、他人の、まして若く美貌の持ち主である芸能人の人生に対して、同じ基準を応用したでしょうか。

 また、実際私たちの身の周りに置き換えてみると、例えば「採用してまもない新人が結婚し、妊娠した」「これからが勝負となるプロジェクトチームの後輩メンバーが結婚し、妊娠した」とき、100%純粋に「うわぁ、おめでとう!」という思いしか湧かないと言えるでしょうか。

 私たちの中にも、マタハラの小さな芽や、「授かり婚」をどこか非常識と捉える価値観、同じ女性であるにもかかわらず女性を軽んじる心理がまだあるのではないでしょうか。女子に枷(かせ)をしているのは男性だけではなく、私たち女性も同じことをしていないとは言い切れないかもしれません。

 そして、いつも枷をはめられるのは女性側。

 今回だって、(妊娠・出産による体の変化は女性特有のものとはいえ)「結婚、パートナーの妊娠」でイメージの変化によるTAKAHIROさん側の違約金を心配する人など、誰一人いなかったわけですから。

文/河崎 環 写真/PIXTA