私たち女子が野田聖子に寄せる期待

 冒頭で「閣僚名簿に、まさかの野田聖子の名前があった」と書きましたが、それには理由があります。

 新聞各紙でも「安倍首相と一定の距離を置いてきた野田聖子氏」と表現される通り、安倍首相と同期当選の彼女は、第2次安倍内閣では自民党総務会長の要職を務めながら、2015年9月の自民党総裁選では安倍首相の再選を阻止するために対抗出馬を表明。しかし20人と定められた推薦人が集まらずに終わり、安倍首相との間にはこの騒動で大きなわだかまりが残ったからなのです。そこをあえての登用に打って出た安倍首相の姿勢からも、今回の改造内閣での本気度がうかがえます。

 アラサー、アラフォーの働き女子たちからは、野田聖子さんの閣僚入りに対してこのような声が届きました。

■ようやくまっとうな女性政治家が表舞台に戻ってきた感がある。最近スポットライトを浴びるのが、妙な女性政治家ばかりだったから。

■浮ついていない、地に足着いた女性政治家の登場で安心感がある。これまでメディアを通して、人として、政治家として本音の部分も見せてきた人だし、その発言や行動に芯を感じることも多かった。本気で応援したい。

■「このハゲー!」の豊田真由子議員、炎上ばかりの上西小百合議員、不倫騒動で残念な今井絵理子議員、稲田朋美議員のドタバタ大臣辞任……とここ最近ずっと「女性政治家」に対するモヤモヤが続いていました。野田氏の登場でからっと晴らしてくれるような期待が高まっています。

■思えば、彼女自身の失政って見当たらない。むしろまっとうな政策や発言のほうが多いような。でも彼女というキャラクターがおじさんには受けず、これまでの時代には早かったのかもしれない。いよいよこれからだよね。

 分かります、分かります。というのも、閣僚人事発表の前日のお昼、私はランチを食べながら女性の担当編集さんに「野田聖子押し」を熱弁していたからです。

 「野田さんさえ表舞台にいてくれたら、それだけで日本の政治のフロントラインの印象がだいぶ変わるはず! それくらい人間としてもいろいろな要素を持っている、実力も胆力もある政治家なんですよ!(机ダーン! 飛び散るカフェラテ!)」……と。

野田聖子は、私たちの閉塞感を救う存在になるか (C)PIXTA
野田聖子は、私たちの閉塞感を救う存在になるか (C)PIXTA

 実は「女子」としての人生をちゃんと生き、今、最も中央に近いところにいる人。彼女自身が自分の人生の中で本当に感じてきたことを政策にする力のある人。実感を伴った言葉を、ちゃんとおじさんたちへ届けてくれる存在。そんな期待を抱かせてくれる野田聖子さんに、リアルな働き女子たちからの注目が集まっています。

【参考】
「私は安倍総理に『育児と仕事の両立は無理』とはっきり言った、女性はもっと『できません感』を出そう──野田聖子×サイボウズ青野慶久」(サイボウズ式)

文/河崎環 写真/PIXTA