ブログまでが根強い固定ファンを獲得

 だって有働由美子アナといえば、「サンデースポーツ/サタデースポーツ」「おはよう日本」「ニュース10」「スタジオパークからこんにちは」、紅白の司会にアメリカ総局特派員に大河「真田丸」のナレーションにと、NHKアナのエリート街道を着実に歩む実力派。今やチーフアナウンサーという管理職にあり、名実ともにNHK筆頭アナです。

 現在の「あさイチ」はいのっちと有働さんとの軽妙な掛け合いが大人気を博し、「あさイチ」放送中は毎朝根強い固定ファンがツイッターで有働関連ツイートを発しています。

 特にファン最厚層と見られる30代後半から40代の女性からは、


 ■毎日、朝ドラを見るのが日課ですが、朝ドラは有働アナ(といのっち)の受けまでが朝ドラの時間だと思っています。

 ■バラエティー向きかと思いきや、お堅い仕事もきっちりこなす。実力があるからこそ、そのはみ出しっぷりが評価されるのでは。

 ■常に視聴者目線は忘れない。大物であろうが、なかろうが、ゲストに聞きにくいことをズバズバと笑顔で聞いてしまう軽やかさがあります。でもそれは、いつも視聴者の代表という意識が核にあるからできること。

 と絶賛の声が上がり、中には

 ■実は有働さんのブログが秀逸。テンポの良さと抜群の読みやすさで、番組以上に率直で正直な本音づくしです。定期的にまとめ読みしています。

 なんて、濃いファンまで。それにしても、有働由美子アナはなぜそれほどまでに強い共感を呼ぶのでしょうか。

48歳独身NHKアナのセルフブランディング

 その理由は、たぶん彼女が真面目に勉強して、厳しく育てられてきた「正統派エリート女子」である割に、大阪人らしいお笑いサービス精神を持ち、それらを職業人として決して男性に媚び過ぎたりしない適度な中性感でまとめ上げているからではないでしょうか。

飾らなさがむしろいい! ついていきます~先輩! (C)PIXTA
飾らなさがむしろいい! ついていきます~先輩! (C)PIXTA

 自由な発言と世間へのやんわりオモシロイ抵抗でお茶の間の人気者になり得るのは、彼女の絶妙なバランス感覚ゆえ。確かにそれが最終的に「ワキ汗キャラ」や「すっぴんキャラ」など、時に「自虐が過ぎる」「今日の有働さん頑張りすぎで切ない」と批判されることもある結果となるにせよ、それも含めて有働さんという48歳独身女性NHKアナウンサーのセルフブランディングであり、仕事術であり、サバイバルの姿なのです。

 例えるならば、女子校の先輩。その魅力は男子には分かりにくいものです。

 かわいくて巨乳で巻き髪でミニスカートで、なんてキャッチーな女子性で攻める女子アナではない、実力とサービス精神で荒波を泳ぎ切っていく骨太の女子アナ。過剰に着飾らないし、常に自虐、ワキ汗やまつ毛エクステなしのbeforeすっぴん披露など、他の女子アナでは考えられないその姿が、むしろ「女子アナ」としてではなく「アナウンサー」として同じ女子に響くのです。