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「丁寧な暮らし」の正義と呪縛 何が豊かな人生か(2/3)

2018年6月13日

家事代行、コンビニ飯でも、丁寧に生きていないわけではない

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 だって、きっとその手作り梅酒やパンはおいしいのでしょうし、仮においしくなくったって、自分で材料を吟味して体に悪いものを使わずに時間をかけてもの作りをするという崇高さに、誰も異論を挟めません。そう、草花のいのちだとか心だとか、なんだか「崇高」なワールドなのです。崇高はずるい。

 だからその大正義たる崇高さを前に、私を含む雑な人々は「全然、丁寧な暮らしとかできなくて……。ダメ女なんです……」と自虐に及ぶしかありません。そして自虐が成立するのは、間違いなく私たちの社会に、「丁寧な暮らしはよいことで、雑な暮らしはダメなこと」というお約束、前提があるからです。

「食卓にはいつも無農薬の家庭菜園の野菜が並びます」なんて生活、まぶしく見えます (C)PIXTA

家事代行への心理的プレッシャーの正体

 女性活躍推進の追い風が吹く2010年代、共働き世帯や忙しく働く単身者、そして急増するシニア世帯の暮らしを支える家事代行業は一大成長産業で、大小さまざまな企業が参入しました。

 利用者の増加とともに料金レートもこなれ、今では決してぜいたく過ぎるといわないほどに、一般の家庭にも普及しています。日本人スタッフによる掃除や料理などの家事代行サービスはもちろんのこと、東南アジア系のスタッフによる家事代行もビジネスとして頭角を現しています。

 6月5日に発表された政府の「骨太の方針」原案では、外国人労働者の受け入れを農業、介護、建設、宿泊、造船の5業種の単純労働にも拡大し、50万人増を見込むとのこと。介護分野は特に人手不足が叫ばれる分野でもありますから、少子高齢化社会の日本では、お金を払って家庭の中に家族以外の業者さんを呼び入れ、家事や介護を手伝ってもらう、アウトソースするという消費形態が今後スタンダード化するのは避けられないことでしょう。

 ただ、今まさに家事代行が必要な、小さい子どものいる家庭やシニア世帯からは「『自分で頑張ればなんとかできなくもない」ことにお金を払って人にお願いしていいのか」とためらう声も聞こえます。

 自分の家に他人を入れることに抵抗がある、という気持ちも少なからずあるようですが、それ以上に「そこまでして人にやってもらうなんて、自分は怠けているのではないか」という、先ほどの「丁寧な暮らし」プレッシャーに近い感情がジワリと生まれてしまうようなのです。

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河崎 環
河崎 環(かわさき・たまき)
コラムニスト。1973年京都生まれ、神奈川県育ち。家族の転勤により桜蔭学園中高から大阪府立高へ転校。慶應義塾大学総合政策学部卒。欧州2カ国(スイス、英国ロンドン)での生活を経て帰国後、Webメディア、新聞雑誌、企業オウンドメディア、テレビ・ラジオなどで執筆・出演多数。多岐にわたる分野での記事・コラム執筆を続けている。子どもは20歳の長女、11歳の長男の2人。著書に「女子の生き様は顔に出る」(プレジデント社)
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