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リアル過ぎ 大ヒット過労死マンガに響く私たちの叫び(4/5)

2017年4月27日

「弱くない」「逃げていい」「休んでいい」――先輩女性たちの声

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「まだ大丈夫」は見えない刃物で自分を刺し続けるくらい危険

 この本を読んだ就職活動中の女子学生は、インスタグラムにこう投稿しています。

 私はまだ学生で、仕事もしていなければ社会人の世界がどのような感じなのかも知らない。実際、この本を手に取り、読むのにすごく勇気が必要だったし、読み始めたら涙が止まらなかった。

 この本をどうしても読まなければならないと感じた理由。それは私の兄が実際にそうだったから。もっと早く、この問題が世間で大きく取り上げられていたら。この本を兄に読ませることができていたら。救うことができたら。

 死ぬまで頑張り過ぎないでって。命より大切なものはないんだよって。「まだ大丈夫」だと自分に言い聞かせ続けるのは、見えない刃物で自分を刺し続けるくらい危険なこと。

 ただいま、就活中。社会人生活、この本を読み直しながら頑張り過ぎない程度に、広い世界で自分勝手に生きていこうっ。うそ。頑張る、けど気楽にね。(22歳女性)

 また、出版社には社会人数年目の女性たちから、このような感想が寄せられています。

■26歳女性
 私も何度電車に飛び込もうか車道に飛び出そうか、って考えたか分からないので、その考えの異常さがすごく分かる本でした。あと、精神科医の監修つきで、病院の選び方とかも載っているのがいいですね。

 印象に残ったのは、「同じ働き方が余裕でできる人もいればできない人もいる」ことと、「頑張っていることは自分で決めたことなのか」っていう考え方。なるほどと思いました!

■27歳女性
 読み終えてなんだか優しい気持ちになれました。ちょうど大きな仕事が終わって少し落ち着いたところだったので、いっぱいいっぱいだった自分を客観的に振り返ることもできて。休むことの大切さはまさに、先日強制的に有休を取って仕事から離れたことで改めて実感したところでもありました。

 本の中に出てくる言葉「頑張る道は一つじゃない 方法も一つじゃない 人間も1種類じゃない」「自分に合った頑張り方を見つけるのは 逃げることじゃない」が好きです。漫画作者さんみたいに、紆余曲折の末に思ってもみない形で夢を叶えたっていうあとがきにもつながっていて、よいメッセージだと思いました。

賽の河原で石を積む、独り相撲、逃げてもいい……先輩女性たちの言葉

 30代以上となった働く女性たちにも、それぞれの歴史と、後悔があります。

■30代前半女性
 私も、裁量を与えられていないのに中心になって引っ張っていく立場だった頃、なぜか涙が出るという症状に悩まされました。やり直しやひっくり返し等々が多く、さいの河原で石を積んでいる気分でした。

 それと、「好きなことを仕事にしているはずなのに」という本の中の言葉が印象的でした。うつで自殺してしまった友人がいるのですが、彼女が「やりたいことを仕事にすべき」という、真面目な人でした。だからやりたいことを仕事にする必要もないですよ、と多様な価値観を認めるようになりたいと思います。ワークライフバランスの人も、ワークライフインテグレーションの人も、それぞれ押し付け合わず尊重し合うことが、仕事のプレッシャーから解放される一助になるのではないかと思いました。

■30代前半女性
 この漫画がリアルだなと思ったのは、超絶忙しいときはなんともなくても、突然時間ができると時間差で精神が病んでくる、というところ。

 実は先日、キャパオーバーの仕事や先輩同僚たちの重なる退職が影響したのか、体調を崩してしまいました。でも私は、休職ではなく長期休暇を取得するかたちにして3週間ほど休むことにしました。

 うちの会社は、無理な仕事のアサインの連続が原因で体調不良に陥ったとき、管理者が注意を受け、場合によっては上司の評価が下がります。医師の診断書を持って休職したら、自分ももちろん、上司の評価も下がる。脅しのようなものも少々感じますが、「会社を辞めると自分にとっては損だ」と客観視できているので、今の上司との関係は悪化させたくないんです……。

■30代前半女性
 「他者は自分の仲間である」ということを知らなかった、若手時代。仲間だと思えていたら助けを求められるし、相談もできるんですよね。若い頃や新しい案件の担当になったばかりの頃は、仕事の成果や貢献の仕方をきちんと把握できていないがために、「とにかく頑張る」というとても非効率で苦しいだけの戦い方を選んでしまいました。

 見えっ張りだったり他人を本当には信用できていないから傷付くのを避けて、一人で頑張って一人で転んで、独り相撲してたなぁ、と思います。ただ、仕事が好きで自分の調子がいいと、人にも同じように求めてしまいがちですよね。昔、鬱になってしまった後輩に対して「私の仕事量の半分くらいしか担当していないのに潰れるなんて、こんな量でダメならこの仕事には向いていないんじゃないか?(私は向いているけど!)」なんてひどいことを思ったり、「この程度の仕事で後輩がつまずくなんて、私は先輩として無能なのではないか」と、自分のことばっかり気にしていました。お前はそれでも人間か!1と、今なら引っぱたきたいです……。

■30代後半女性
 周りがうつになってしまったとき、どうしたら良いのかが今でも分からずにいます。7〜8年前に、友人が本に書かれていたような症状に近かったのですがその友人は休職中でした。今思えば、おそらく前の会社を辞めて次へ進むのが怖かったんだろうと思います。

 ただ、私はその頃とても忙しく、そんな中で彼女と3日に1回は会い、励まし、「仕事が見つからない、そもそも働く自信がない……」の無限ループを聞くのがつらかった。ついに、「私なんか死んじゃえばいいんだ」と言い出す彼女に、「働いていないのに、うつになんてなるの? 働きたくないなんて、甘えじゃないの?」と突き放し、それから疎遠になってしまいました。

 今思うとあればうつだったのかな。今でもあのときのことを時々思い出しては、後悔の気持ちでいっぱいですし、今ごろ元気でいてほしいな……と思うんです。

■30代後半女性
 社会人になってから、大きな理由があるわけではないのに、会社に行きたくなくなって、好きな仕事だったのにやりがいがなくなり、メンタルクリニックに通って1カ月休職したことがあります。それでも「死にたい」ほどのうつにはなりませんでした。

 思い返すと、中学生時代にいじめなどに遭ったのがきっかけで、「逃げてもいい」ということを親から教えてもらいました。世の中にはいろんな人がいていろんな世界があるのだと学生時代に学んだおかげで、前述の社会人でのプチうつ経験時も、「信頼できる人にとにかく話して助けを求める」「嫌なことから距離を置く」という選択ができたから、重度のうつにならなかったのかもしれません。ただ、これまで「私は逃げてばかりの弱い人間だ」という自責の念もありました。この漫画を読んで、「ああ、私は弱かったわけではないのかもな」と安心しました。
誰もが、心の奥につき刺さった経験を持っている(C)PIXTA

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Profile
河崎 環
河崎 環(かわさき・たまき)
コラムニスト。1973年京都生まれ、神奈川県育ち。家族の転勤により桜蔭学園中高から大阪府立高へ転校。慶應義塾大学総合政策学部卒。欧州2カ国(スイス、英国ロンドン)での生活を経て帰国後、Webメディア、新聞雑誌、企業オウンドメディア、テレビ・ラジオなどで執筆・出演多数。多岐にわたる分野での記事・コラム執筆を続けている。子どもは20歳の長女、11歳の長男の2人。著書に「女子の生き様は顔に出る」(プレジデント社)
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