第2位は女同士なら誰もが痛いほどわかっているこの言葉

 第2位は、いつも主導権を握るタラだけでなく、珍しくレバも発言に仲間入りしている、第5巻ACT17「なめあい女」から。

「良かったタラね仲直りできて」

やっぱり女同士は不幸自慢してるくらいが一番上手くいくんレバね

「そうよ、女同士は誰か1人が幸せになっちゃあ面白くないの!」

「アハハ、いいと思うレバ」

「そうやって女同士で楽しくやればいいタラ。傷ついているのを隠して、全てをふざけてギャグにして、騒いで、傷なめあって、笑って、そうやって生きていくのも人生タラ!」


(『東京タラレバ娘』 第5巻 ACT17「なめあい女」より 東村アキコ著/講談社)

 おおふ……孤独なタラレバ女が逃げ込む、居心地のいいぬるま湯のような「愚痴ってオッケー☆お互い様女子会」をナタで真っ二つにカチ割る容赦のなさ。「女は不幸自慢してるくらいが上手くいく」、それは女たち本人が一番よく知っている、幼い頃から叩き込まれた、妙な感情習慣なわけで。

 でもね、年をとるにつれてわかるのですよ……女同士で不幸自慢していられるようなあの場は、やはり「港」なんです。そこに長居しちゃいけない、だからどこかに向けて出航するけれど、長い旅路の間に何度か立ち寄っては、様子をうかがいながらも気持ちを打ち明け、仲間や自分の成長を確認する。

 たとえ不毛な不幸自慢に見えても、女はそこでいろいろ考え、前へ進む方法を懸命に手探りしているんですよね。女同士の「わかる〜」だけが癒せる心の傷や不安ってのも、あるんですよ、確実に。