あなたは会議の時に、自分の意見をうまく伝えることができますか? 緊張のあまりうっかり失言してしまったり、逆に遠慮しすぎて何も言えなかったりしていませんか? 今回は、そんな会議での「いい人」から抜け出す方法をお伝えします。

無自覚な発言は、自分の立場を悪くする?!

 つい先日のこと。とある会合で、Fさん(30代女性・総合職)の発言に驚いてしまいました。

 Fさんの発言は、その会の主催者に対する批判と反発ばかり。その場の全員から注目されたことがうれしくてたまらないのか、得意げに、立て板に水を流すごとく失礼なことを話していました。(きっと舞い上がっちゃったんでしょうねぇ……。)

 失言の連発にもかかわらず、当の本人は「自己アピール」のつもりだったのでしょうか。「私の努力を認めてほしい」「私のことを応援してほしい」という本音が垣間見えました。

 しかし彼女がアピールするほど、聞き手の気持ちは引いていく。その場は、皆ドン引きしていたように見えました。

 Fさんの心は、味方を増やそうと願っているものの、逆に彼女の発言は敵をつくり、彼女自身を窮地に陥れていくわけです。わずか数十秒の発言のせいで、彼女は主催者から「危険人物」としてマークされてしまったのでした。

 心と発言が裏腹。恐らくこれはFさんの癖であり、本人はそうと自覚のないまま、こういう問題発言を頻繁に繰り返しているのでしょう。

 ビジネスの場において、破壊的な発言をする人は危険人物です。責任のある仕事や役割を任せようなんて、誰も思いません。怖くて部下もつけられないし、顧客先にも出せない。

 「何を発言していいか悪いか、判断できない人」というレッテルを貼られて、永遠に地味な仕事に縛り付けられてしまいます。

 Fさんをはじめ、発言の下手さが原因で、チャンスを潰してしまう人は案外と多いようです。あなたの周りにもいませんか?

会議は戦う場でも、敵を作る場でもありません イラスト/六角橋ミカ
会議は戦う場でも、敵を作る場でもありません イラスト/六角橋ミカ

口は災いのもと 会議での発言は要注意

 あなたは、こんなふうに後悔したことありませんか? 「あぁ、どうしてあの時、あんなことを言ってしまったのだろうか?」と。

 誰にでも、口が滑るという経験があるでしょう。なぜか、心にもないことを、ついその場の雰囲気にのまれて言ってしまうのです。日常会話ならまだしも、ビジネスの公的場面である会議でこれをやってしまうと、取り返しのつかない失態になり得ます。

 特に、出世意欲が強くプライドが高い男性ほど、会議での発言には敏感に反応するものです。

 もしも、そんな彼の意見に会議の席上で批判するような人がいれば、「よくも、このオレ様に恥をかかせたな~!」と根に持つかもしれません。数十年も前の会議の場での対立が原因となって、社内で派閥ができることすらあるんです。会議での失言が原因で、永遠に昇進機会を失った、なんて悲劇も聞いたことがあります。

 ですから、会議での発言は要注意です。絶対にあからさまな反論や批判をして、敵をつくるような発言をしてはいけません。