○○と言えば、誰が思い浮かぶか?
「日本で一番高い山は?」と聞かれたら、すぐに「富士山!」と答えられますね。では、日本で二番目に高い山はどれでしょうか? この質問に答えられるのは、雑学マニアだけ。普通の人は「えぇっと……」と返答に困りますよね?
そうなんです。「一番」しか、人の記憶には残りません。
では、ちょっと考えてみましょう。
あなたの職場にいる人たちの顔を思い出しながら、「プレゼンテーションがうまいのは誰か?」「美しいドキュメントづくりが得意なのは誰か?」「データ分析なら誰に任せるのがベストか?」と。
ここで名前が浮かぶのは、その分野で一番の人です。残念ながら、二番手、三番手の人のことは思い出せません。
これが、職場でのオーディションの鉄則。
ということは、あなたがオーディションで主役を勝ち取るには、何か「職場で一番」と誇れるものを持つことが大事なのです。
「都合のいい人」から「スター」の座に踊り出るには
ではここで、実例を一つ挙げましょう。
かつて「都合のいい人」だった私は、「職場の雑用係」という役に毎日ウンザリしていました。残業して忙しいわりに、実績と呼べるような価値ある仕事は回ってきません。職場にいても、ヤリガイなんて少しも感じられない日々。
だから、ひそかに「いつか転職してやる!」と思って、英語の勉強だけはコツコツと続けていました。それが功を奏して、いつの間にかTOEICのスコアは職場で一番に。
そんなある日、職場の上司のところには「新しく発足される海外プロジェクトに、メンバーを一人出すように。条件は英語ができること」という話が舞い込みます。
上司は、緊急オーディション開催です。「えぇっと……、ウチの部で英語ができるのは誰だっけ……?」と思いつつ、人事情報にアクセス……。そこで急浮上したのが、私の名前だったというわけです。
それまでは、自他ともに認める「よろず雑用引き受け係」だった私が、社内でも注目を集める海外プロジェクトのメンバーに抜てきされることになりました。(ヤッホー!)
このプロジェクトへの参加がきっかけで、他部署の有能な人たちと交流が始まり、私の仕事観やキャリアが大きく変わっていくことになったのでした。
さて、私のお話はこの辺にして、次はあなたの出番です!
あなたがオーディションで抜擢されるために、どのような準備が必要なのかを考えていきましょう。