好印象を勝ち取る「プチ提案」のススメ

 上司に自分の存在感と有能さをアピールするのに有効な、とっておきの方法。それは、「プチ提案」です。

 仕事をする中で、日ごろから感じているちょっとした疑問や問題。それに対して、自分なりに「どうしたら、現状より良くなるか?」を考えて、具体的なアイデアを出してみましょう。それを、ミーティングで意見を言えるタイミングや、メールや報告書で提案してみるのです。

 提案といっても、いきなり100億円の売り上げにつながるような大げさな提案ではありません。もっと気軽に考えましょう。毎日の仕事が、ほんのちょっと楽にスムーズになるようなアイデアで十分です。

歓迎される提案、嫌われる提案

 このときに、「良い提案だ、ありがとう!」と言ってもらうには、5つの条件があります。

(1)会社や所属部署の目標・予算に沿った内容であること

(2)お客様や社内の人たちに迷惑が掛からないこと

(3)個人的でエゴイスティックな要求ではないこと

(4)現状のやり方を否定・批判し過ぎないこと

(5)具体的で実行可能なこと

 ここで勘違いしてほしくないのですが、従業員としての権利を主張するのは、(3)に反するので、提案ではなくワガママな要求です。そんなことを言えば、「迷惑な人」扱いになりますから、ご遠慮くださいませ。

 また、いくら良い提案でも、現状のやり方をネガティブに批判し過ぎると、同僚や先輩から心情的に支持されにくくなりがちです。あくまでも、爽やかに提案してみましょう。

 一般的に「良い提案」とは、自分だけに都合の良い案ではなく、すべての関係者(ステークホルダー)にとって喜ばしいアイデアです。それが、価値ある提案。

 ぜひ、そういうアイデアを時々「プチ提案」として、上司や先輩にしてみましょう。「仕事に関して、よく考えている人ですね」「会社のための貢献意欲がありますね」という好印象につながります。これが継続的に続くと、「デキる人」への近道です。

 なお、提案しても必ず採用されるとは限りません。却下されてしまってもムクれることなく、何度も繰り返しプチ提案し続けていきましょう。

 そして同時に、上司の期待水準を超えられるよう、イメージを働かせながら仕事をすることも、意識してみましょう。

 その前向きで積極的な姿勢は、必ず良い評価につながりますから。

文/キャサリン門田 イラスト/六角橋ミカ