上司から指示されたことを、忠実にこなしているのに、ちっとも感謝されないし、評価もしてくれない。あなたはそんなふうに思ったことありませんか? もしかしたら、ただ「指示されたことだけ」をやっているのではありませんか?

あなたが正当な評価をしてもらえないワケは?

 つい最近、個人セッションをしたBさんのご相談は、こういうものでした。

 「私は、上司から指示されたことに忠実に対応しています。なのに、少しも感謝されないし、正当な評価をしてもらえていないんですけど……。これって、私のせいなのか、上司が悪いのか? もう転職したほうが良いでしょうか?」

指示されたこと「だけ」を忠実に対応していない? イラスト/六角橋ミカ
指示されたこと「だけ」を忠実に対応していない? イラスト/六角橋ミカ

 上司の指示に従って一生懸命に働いているのに、感謝されず、評価してもらえないなんて……。あぁ、確かに、それはむなしいですよね。それに、何だか自分一人で空回りしているような気にもなってきますよね……。

 そういうときは、まず自分のやっていることが、「正しい努力」か「ズレた頑張り」なのかを考えてみましょう。この2つの違いは、連載第5回「どんなに頑張っても報われないのはズレているから」で説明していますので、もう一度確認してみてくださいね。

 今回のBさんの場合は、「上司から指示されたことに忠実に対応している」ということなので、決して自分勝手な方向に向かってズレた頑張りをしているわけではないようです。これは、具体的なお話を聞いて、そう判断しました。

 とはいえ、どうやらBさんの仕事のやり方にも問題があるようです。

 では、仕事を頼む側である上司の立場では、部下のことをどのように見ているでしょうか?

 ここでは、いったん視点を切り替えて、上司の側の声を聴いてみましょう。