自己紹介から見えてくる人物像

 Aさんが自己紹介として発した言葉から見えてくる人物像は、こうなります。

「自信がない。職務担当範囲が狭いので、おそらく視野が狭い。経験年数のわりにノウハウや実力が伴っていない。プロジェクトや他メンバーへの貢献の姿勢が見えない。仕事に対して甘えがありそう。あまり頼りにならなさそうだなぁ……」

 もしかすると、Aさん自身は、プロジェクト・メンバーに抜てきされて、張り切っていたかもしれません。ワクワクする前向きで積極的な気持ちでいたかもしれません。

 にもかかわらず、ネガティブな言葉遣い、不適切な言葉の選び方をしたせいで、つまらない雑用係としての扱いをされてしまうリスクが高いのです。

自己紹介ひとつで、あなたの人物像がわかってしまいます 写真/清水知恵子
自己紹介ひとつで、あなたの人物像がわかってしまいます 写真/清水知恵子

 これが、「いい人」がやりがちな「未熟者アピール」の典型例。言葉と態度・表情から、無意識のうちに「私のことは、大切に扱わなくても怒りません」「私は都合のいい人です。どうぞ私をメイドのように扱ってください」「私に期待しないでください」というメッセージを発しているのと同じなんです。

 本人の意欲とは裏腹に、なぜか雑な扱いをされてしまいがちな人が、無意識のうちによくやっています。

 では、Aさんは、この場面で、どのような自己紹介をすればよかったのでしょうか?