日本は「いい人」だらけ
実は、典型的な日本企業の職場には「いい人」が多いのです。日本企業の多くは、このタイプの頑張りのおかげでなんとかなっていて、いわば日本経済を支えている貴重な人材と言えるでしょう。
ですから私は、職場の「いい人」が大好きです。応援したい。「いい人」である人たちには、応援される価値があることを知ってほしいのです。
ただ、一つ問題があります。それは、「いい人」たちが抱えるストレス。
あなたも、職場でこんなふうに思ったことはないでしょうか?「どうして私が?」「なぜ、そんなことまでしなきゃいけないの?」と。
本来、職場のマネジメントが正しく機能していれば、特定の個人にしわ寄せがいくような事態にはなりません。定時を過ぎてもなお仕事が終わらないという状況そのものがおかしいのです。
それなのに「いい人」たちは、責任感の強さから「何とかしなきゃ」と思って頑張ってしまう。頑張ったところで、給料は大して上がらない。これでは疲れや消耗感、虚無感、怒り、ストレスがたまらないわけがありません。
現在、働く人々をサポートするキャリア支援をしている私も、かつて会社員だった頃、この「いい人」の典型だったことがありました。