「いい人」は、つい物事や状況をネガティブに捉えてしまいがち。そこにばかり目を向けていたら、せっかくのチャンスを逃がしてしまうことになるかもしれませんよ。

 なぜ、多くの女性たちは、状況や物事のネガティブな面ばかり見るのでしょう?

 そしてなぜ、多くの女性たちは、そこに焦点を当てて「だからダメですよね」と自分で結論づけ、せっかくのチャンスを手放してしまうのでしょうか?

 これが、私がキャリア・コンサルタントとして個人セッションを始めた頃の疑問でした。(もう数百年も昔のことのようです……)どうでしょう。あなたにも、思い当たることありませんか?

困った状況 それ、チャンスです

 Hさん(30代後半)からの相談をご紹介しましょう。

 「今私がいる部署はとんでもない状況なんです。他部署から移ってきたばかりの課長は、ウチの部の仕事のことを何も知らなくて。係長は少し空気の読めない人だから、そんなことに全然気付かないし、課の他の人たちはみんな自分の仕事で精いっぱい。だから他部署からの依頼事項が滞っているんです。なんだかもう、職場に行くのがツライんです」

 なんだか面倒な状況になっているみたいですね。

 でも、ここに一つ希望があるんです。

 「異動してきた新任課長が、慣れない職場で困っている」ということが気掛かりなのは、今のところHさんただ一人。

 これってHさん、あなたのチャンスじゃないですか!!!

チャンスの神様には、前髪しかないんですって イラスト/六角橋ミカ
チャンスの神様には、前髪しかないんですって イラスト/六角橋ミカ

 仮に、ベテランHさんが、新任課長の困っている仕事をさりげなく手伝ってあげたら?

 仮に、新任課長が分からないことを、Hさんがうまく説明してあげたら?

 細かいことによく気が付くベテランのHさんにとっては、難しいことではないはず。

 そうしたら異動してきて右往左往している課長は、とても助かるのではないでしょうか? 親切な対応をしてくれたHさんを、頼もしく思うに違いありません。

 つまり、「新しい上司を助け」つつ、Hさんの「有能さをアピールする」のに、絶好のチャンス。

 ところが、こういう話をすると意見は二つのタイプに分かれるのです。