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人生が変わる、体が喜ぶ「一汁一菜」 土井善晴さん

2017年9月19日

単なる皿数の少ない時短料理ではない 一汁一菜の提案

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 今、料理研究家の土井善晴さんの著書「一汁一菜でよいという提案」(グラフィック社)が話題を呼んでいます。一汁一菜とは、ご飯、味噌汁、漬物という食事の型のこと。それは、単なる時短料理ではなく、私たちの体を喜ばせ、生活を豊かにする食のあり方なのだと土井さんは言います。理想的な食事の型は一汁三菜と思い込み、「ちゃんとした食事ができていない」と日々ストレスを感じている人は多いでしょう。土井さんに、一汁一菜とは何か、それはどう私たちの生活を変えてくれるのかを伺いました。

土井善晴(どい・よしはる)
料理研究家。1957年、大阪生まれ。スイス、フランスでフランス料理を学び、帰国後、大阪「味吉兆」で日本料理を修行。土井勝料理学校講師を経て、92年に「おいしいもの研究所」を設立。変化する食文化と周辺を考察し、命を作る仕事である家庭料理の本質と、持続可能な日本らしい食をメディアを通して提案する。
元早稲田大学非常勤講師、学習院女子大学講師、87年~「きょうの料理」(Eテレ)講師、88年~「おかずのクッキング」(テレビ朝日系)レギュラー講師。著書多数。2016年「一汁一菜でよいという提案」(グラフィック社)を上梓。大ベストセラーとなる。

一汁一菜の食生活で暮らしやすくなる

 以前、日本人の3分の2は、「今の食事を続けていたら将来の健康に不安がある」と考えているというアンケート結果を見たことがあります。その状況は今もあまり変わっていないのではないでしょうか。でも健康が不安と思っているのに、食に無神経な人が多い。ファストフードが大好きな人もいます。メディアで話題の食情報を追う人もいるでしょう。

 大切なのは、人間一人が、個として食べる力、生きていく力として料理を捉えること。何を信じるかは、個人の問題ですが、自分の食に責任を持たなくてはいけない。

 人は誰もが心身共に健康でありたいと思っているでしょう。そうした中で、私が信じることができる食のあり方が「一汁一菜でよいという提案」です。一汁一菜とは、ご飯を中心とした汁と菜(おかず)。その原点を「ご飯、味噌汁、漬物」つまり、「汁飯香」とする食事の型です。

 「一汁一菜でよい」とすれば、誰でも毎日食事を作ることができます。ただし、単なる時短や手抜きといった、表面を繕うようなところに一汁一菜があるのではありません。一汁一菜にすることで、健康や生活のリズムに無理が出ず、暮らしやすくなるのです。

 働いていれば、スーパーマーケットに買い物に行く時間だってそう取れないでしょう。でも、一汁一菜であれば、冷蔵庫にあるもので済ませればいい。家にあるものを、味噌汁に入れればいいんです。賞味期限が切れそうな卵を入れたって、野菜の切れ端を入れたっていい。それだけで普通においしい。味噌汁を作るようになれば、食材の無駄を減らすことができます。

 私たちの生活の起点となるのは、「お天道様」です。私たち人間は自然の一部です。ですから、お天道様を起点とするのは、非常に「合理的」な考え方です。これは、「機能的」とは違います。機能性はどこかにひずみがきますが、合理性は私たちの情緒ともとてもうまくかみ合う。そして、情緒と現実がうまく重なり合うところに違和感のない、人間の生活の秩序を作るものが生まれてくる。その一つが一汁一菜なのです。

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