中でも特に大事にしたい予定が何かを考えてみて、そのTPPOを意識しながら服を選ぶととってもスムーズ。例えば「久しぶりに松田さんに時間をもらったから、今後のキャリアプランについても相談してみようかな」と昼休みのミーティングを“今日のハイライト”と位置付けたとしたら、TPPOの「P=Person」を再度思い浮かべて。「松田さんは、いつもハツラツとした雰囲気の女性で、たしか花柄が好き。今日は私もどこかにさりげなく花柄を取り入れてみようかな。仕事のやる気は伝えたいから、羽織りものはパキッとしたオフホワイトのジャケットにしよう」といったふうに、“松田さんに伝えたい思い“を反映できる服をチョイスしていくのです。

「○○さんと会うなら、こっちの洋服かしら」 (C)PIXTA
「○○さんと会うなら、こっちの洋服かしら」 (C)PIXTA

 Person抜きのTPOだと、「イタリアンレストランの雰囲気に合わせた服」になってしまうかもしれませんが、Personを意識することで、関係性を深めたい人とのコミュニケーション力を高める服へと変えていけるのです。

服が「想いのプレゼント」になる

 そして、その思いは必ず相手に伝わります。昼休みに待ち合わせ場所であなたと会った佐藤さんは瞬時に(そして無意識のうちに)「私と会う時間を大切に考えて服を選んできてくれた」と受け取るのです。心の距離がぐっと縮まるこの効果を、私は「想いのプレゼント」と呼んでいます。ちょっとしたお菓子のギフトを用意するよりもずっと「あなたのために」というリスペクトメッセージが伝わる効果は高いと思います。

 「誰と会うか」を意識して服を選ぶと、「あの人に会うといつも気持ちがいい」という印象につながり、「また会いたい」「何かあればまた声をかけよう」と思ってもらえる存在になれます。すると、チャンスがどんどん舞い込んでくるのです。

 TPPOは、あなた自身が大切にしたい縁は何かを知るきっかけにもなると思います。ポジティブな転機をどんどん呼ぶ女性になるために、明日の服選びの時間から試してみてくださいね!

文/宮本恵理子 写真/PIXTA