「何を着ても許される」時期を過ぎた30歳を迎えるころ、何を着たらいいのか、ふとクローゼットで迷ってしまうことはありませんか? 仕事服として何を選び、どう着たらいいのか――というオフィスファッションの疑問は、働く女性にとって身近な問題です。30歳になったら一度じっくり考えたい「自分らしい仕事服」について、『4つの性格タイプから見つける いつの間にか人生が変わる服』の著者であり、人気パーソナルスタイリストのみなみ佳菜さんにインタビューしました。
私は一般の方の“自分らしい装い”を応援するパーソナルスタイルストとして日々活動しています。「似合う服が分からなくなった!」「転職の面接に何を着ていったらいいでしょう?」「育休からの復帰、自信を取り戻せる服を教えてください!」……そんなご要望に日々向き合う中で実感しているのは、働く女性が自分らしく力を発揮して活躍し続けるためには、最適のタイミングで“服のターニングポイント”を創り出すことが不可欠だということです。
働く女性の皆さんは、仕事やプライベートで「転機」を意識されることが時々あるのではないでしょうか? 服にも、迎えるべき「転機」があります。そのときのご自身にとって最適な装いは何か? あらためて立ち止まって考え、求められている役割や周りの人に伝えたいメッセージをきちんと表現できる装いに切り替えていくことが、仕事のコミュニケーション能力を高める支えになるからです。
服を見直すタイミングは30歳
重要なのはタイミングです。
私が考えるベストタイミングは、「30歳」。
働き始めて6~8年経過し、ひと通りの仕事には慣れ、後輩ができたり、チームのまとめ役を担ったりと、20代に求められてきた役割とはまったく違うステージへと立たされる時期ですね。
このときに、20代と同じ装いをキープオンしてしまっては「自覚がない」と見られてしまいます。
とはいえ、服のすべてを買い替えるなんて、とてもお財布がもちませんよね。大丈夫です! 私は皆さんに「まずジャケットとバッグの見直しから始めてください」とお伝えしています。
男性のスーツに由来するジャケットは、いわば女性の装いに“社会性”をプラスする最も象徴的かつ効果的なアイテムです。久しぶりにジャケットを着るという方にありがちなのが、「無難な定番を」とネイビーのテーラードジャケットを選ぶパターン。これでは就職活動中の学生と同じステージに戻ってしまいます! 30代のクラス感を出すには、ライトグレーの襟なしデザインなど“脱リクルート”を意識してみてくださいね。
バッグはワンランク上の革にするなど素材をステージアップすると、より信頼性のある印象へとつながります。
先ほど、「ジャケット選びで失敗が多い」と言いましたが、実はそういう私自身も30歳のときに“大失敗”をした痛い経験があるのです。