いい睡眠のリズムを作る二つのポイント

 質のいい睡眠を取るには、「光」と「深部体温」が重要。起床時と睡眠時のメリハリを作ることが、質のいい睡眠を取るコツです。

ポイント1)光のメリハリを

 夜の眠りをよくするために、私たちは就寝前の対策を考えがちですが、実は朝の習慣によって夜の眠りが決まります。

 「朝目覚めたら、窓から1メートル以内に移動して脳に光を届けて、睡眠を促すメラトニンの分泌を減らしましょう。人間の生体リズムは、脳に光を届けてから、16時間後に眠くなるようになっています」(菅原さん)

 逆に、夜間は光を落とすのが質のいい眠りに持って行くコツ。

 「夜間の照明は蛍光色(寒色)ではなく白熱色(暖色)にして、間接照明だけにするなど明るく照らし過ぎないようにしましょう。夜、寝室に明かりが入りやすい環境なら、遮光カーテンを使うなどして、『夜は暗く朝は明るく』のメリハリをつけましょう」(三橋さん)

ポイント2)体温のメリハリを

 深い睡眠を取るには、就寝時に深部体温がぐっと下がることが大切。人間の体温が最も低いのが起床2時間前(朝6時起きの人なら朝の4時)、最も高いのが起床11時間後(朝6時起きの人なら17時)です。体温が低い時間帯には、人は起きていられないので、徹夜作業をしていてもぼーっとしたり、ミスをしやすいことが。一方、体温が最も高い時間帯は、生産活動に向いているので、高いパフォーマンスを発揮できるそう。

 「人間は、深部体温が下がったときに深い眠りに入るので、最も体温が高い夕方に少し体を動かしてさらに体温を上げておくと、その落差で夜深い睡眠に入りやすくなります。ところが、帰りの電車でうたた寝をしたり、帰宅してテレビを見ながらウトウトしてしまうと、中途半端に体温が下がり、いざ寝るときに体温があまり下がらないということに」(菅原さん)

 17時が最も体温が高いと考えると、前後2時間を含めて、15時以降は仮眠をしないようにするのが夜ぐっすり眠るコツ。