「2回も会った」なのか、「2回しか会ってない」なのか

 話をゆりあさんの一件に戻すと、今回の相談文だけでは、彼との間にどのようなコミュニケーションがあったかは読み取れません。しかし、いくら手をつないだとしても、「ネットで知り合い、食事に2回行った関係」というのが二人の実態です。これを「2回も会った」と捉えるか「2回しか会ってない」と捉えるかは人それぞれですが、我々としては後者だと考えています。

 おそらく二人の間には、十分な情報や信頼がまだ蓄積されていないのではないか……。建物に例えるなら、基礎も柱もないプレハブ小屋のような状態だと思われます。

 しかし、2回デートを重ね、軽いハグまでしている。それにより、デート関係はおろか、それ以上の段階まで関係が進展しているかのような錯覚を起こしている。それなのに、何でいきなり切られたのか──。こういった混乱に陥っているのが、ゆりあさんの現在地ではないかと思います。

これでは、基礎も柱もないプレハブ小屋のような状態
これでは、基礎も柱もないプレハブ小屋のような状態

 もっとも、ゆりあさんに罪はありません。前述の通り、ネット経由の出会いにはこういった錯覚を起こしやすい構造が内包されているわけです。まだ知り合って間もない間柄なのに、いきなり手をつなぎ、ハグをする……。こんなの、ドキドキするなというほうが無理な話です。

 このような「ギャップ」や「ジャンプ」を恋愛的に楽しめる限りにおいては、ネットはとても刺激的なツールだと思います。しかし、ネットが「(1)から(5)までをショートカットし、いきなりデート関係から始まるツール」であることだけは認識しておく必要があるでしょう。