doingとbeingに分けて考える

 恵子さんが挙げていた反省ポイントを眺めてみると、大きく二つのグループに分けられることに気づきます。

 まず、「セックスして既成事実を作ればよかった」や「3カ月くらいで告白しとけば」といった(1)~(4)に関しては、セックスや告白といった「行為」に関する反省です。自分の発言や行動に何らかのミスや問題があった。それを改善し、次の恋愛に生かすべきだ──。と、そういう発想から生まれた反省点だと思われます。ここでは整理のために、こういった発言や行動を慶子さんの「doing」と総称します。

 一方で、「次の恋の時は相手が違う」「付き合えないときは付き合えない」という(5)と(6)は少し性質が異なります。こちらには、心掛け一つで変えられるようなものではない「資質」や「価値観」といった要素が関係しているように感じられます。こちらは煎じ詰めるとその人の「在り方」そのものと言えるので、doingに対して慶子さんの「being」とまとめてみます。being(存在)はdoing(行為)のようなものではないので、反省の対象にはなり得ません。

doingとbeing
doingとbeing