「外出先で汗をかいたときには、汗がにおいに変わる前にシートで拭き取り、皮膚を清潔にした後でパウダースプレーやロールオンなどを使うW使いがおすすめです」(山岸さん)

 ビューティサイエンティストの岡部美代治さんは、デオドラント剤のトレンドを、こう分析します。

 「以前はパウダースプレータイプが主流でしたが、近年は暑い日が増えたこともあり、より効果の高いじか塗りタイプがトレンドになっています。じか塗りタイプのなかでも、塗った後にサラサラとして感触がいいクリームタイプなども登場して、剤型にも工夫が見られます」(岡部さん)

ワキ用デオドラント剤で、本当に汗が抑えられる?

 制汗剤で流れ出る汗を止めることはできるのでしょうか?

 におい対策はできてもワキ汗まで抑えることができるのか、半信半疑という人もいるのでは? 近年は、「におい対策」だけでなく、「ワキ汗対策」を重視する女性が急激に増え、ワキ汗を抑える効果を高めた製品の売り上げが伸びているそう。

 市場に出回る多くの制汗剤に配合されている制汗有効成分ACH(アルミニウムクロロハイドレート)は、古くから利用されてきた制汗有効成分。皮膚に密着することで、出てくる汗を抑えるメカニズムです。このACHを効かせるメカニズムはメーカーによってさまざまですが、ライオンでは、

 「ACHが汗腺の出口に密着してゲル状の栓(プラグ)となり、収れん作用によって汗を抑えます。ワキ汗の量は体全体から出る汗の1%程度なので、止めてしまっても問題ありません」(山岸さん)

 「制汗剤である程度のワキ汗は抑えることができますが、ワキ汗の量が多めの人は、汗じみが目立ちにくい色の洋服を選ぶ、ワキパッド付きの下着を併用するのも効果的です。ワキパッドの部分が不衛生になりやすいので、しっかり洗濯をし、完全に乾かすことも大切です」(岡部さん)