汗のにおいが気になる季節が到来! 新連載「働く女性のにおい研究会」がスタートします。

 私たちの体は、いろんな部位から、さまざまなにおいを発生させています。汗をかいて時間がたったときの、ツンとしたワキのにおい、脂っぽい頭皮のにおい、顔をそむけたくなる足のにおいなど……。満員電車で中年の男性に囲まれると、独特のにおいも漂ってきます。一体においとは何でしょうか?

私たちの体は、いろんな部位からさまざまなにおいが発生します。においって一体何なの? (C)PIXTA
私たちの体は、いろんな部位からさまざまなにおいが発生します。においって一体何なの? (C)PIXTA

 「私たちの体から発するにおいの正体は化学物質なのです。しかも場所ごとに化学物質が異なります」と話すのは、ビューティサイエンティストの岡部美代治さん。

主な体臭の化学物質
部位 化学物質
頭皮・頭髪臭 低級脂肪酸(カプリル酸、カプリン酸、カプロン酸)
アルデヒド類
ジアセチル(ミドル脂臭)
ノネナール(主に男性の加齢臭)
口臭 揮発性硫黄化合物(メチルメルカプタン)
汗臭 アンモニア
イソ吉草酸
ワキ臭 3-メチル-2-ヘキセン酸
ビニルケトン
アンドロステノン
アンドロステノール
足臭 イソ吉草酸
酪酸
頭皮は、天ぷら油が古くなったような重たいニオイの低級脂肪酸や、つーんとしたアルデヒド類、口臭はメチルメルカプタン、ワキは3-メチル-2-ヘキセン酸やビニルケトン、足の裏はイソ吉草酸など

 このようにさまざまな化学物質によって体臭はできていますが、本来、私たちの体から出る汗や皮脂などの分泌物は無臭か、においがあってもごくわずかだそうです。では、なぜさまざまなにおいがしてしまうのでしょうか?

 「汗をかいた後、皮膚の上に存在している常在菌や、空気中の酸素と反応することで、“体臭”になるのです」(岡部さん)

 ライオン ヘルスケアマイスターの山岸理恵子さんも「においの発生の基本は、分解臭と酸化臭です。体の部位によって、皮脂が多い所、少ない所があり、汗腺の分布も異なるので、場所ごとに異なるにおいが発生します」

 「汗は本来、ほとんど臭わないもの」と聞くと、なんだか対処できそうな気がしてきます。

 次ページでは、部位ごとににおいが異なる理由を解説!