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働き方改革「社員キラキラ☆UP運動」 効果は?(3/3)

2017年9月14日

会社への誇りを高めるために――日立システムズ 北原取締役

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将来介護に関する不安を抱える人は97%にも、初の介護セミナーは盛況

――日立システムズの男性育児休業取得率は58%と非常に高い。民間の平均取得率はわずか2.3%に過ぎず、政府は2020年までに13%に引き上げることを目指しています。どういった施策が奏功したと思われますか?

北原:女性が働き続けるためには男性側の意識改革が必須です。そのための活動には力を入れてきました。2016年にはNPO法人ファザーリング・ジャパンの方を講師に招き、「パパ力UP! 育児と仕事の両立支援セミナー」を開催しました。また、女性を部下に持つ管理職のセミナーも行っています。さまざまな事例を共有しながらダイバーシティマネジメントを学ぶのですが、気づきが多いと好評です。

――「男性の育休取得率が高い会社は、従業員のエンゲージメントやロイヤルティが高くなる」という指摘もあります。

北原:育児や介護など、大変なライフステージに差しかかっている従業員に対して、会社がきちんと支援していくことが非常に大事だと思っています。それが仕事のやりがいや働きがいにつながっていくのではないでしょうか。

――女性活躍の進捗具合はいかがでしょうか?

北原:2017年4月1日現在の女性従業員比率は約14%で、女性管理職比率は約4.0%です。女性管理職数は116人ですが、2020年までに160人にすることが目標です。

――女性管理職数を増やすために、今後どのような取り組みをしますか。

北原:女性のネットワークづくりやいろいろな立場で働くロールモデルの提示を通じ、管理職手前の人達やキャリアに悩む女性たちに道を示し、モチベーションを上げるきっかけになるような取り組みを進めています。事業部から女性活躍に関する相談や要請を受けることがあり、それを受けてグループワークやパネルディスカッションを行いその解消を図るなど、地道な活動を繰り返しています。

 昨年は6回程度、延べ60人くらいが参加しました。また、現場の声を取り入れるためのボトムアップ活動として「ダイバーシティカウンシル」を発足。昨年からは「女性活躍推進」「仕事と介護の両立支援」「健康経営」をテーマに事業部代表の多様なメンバーが活躍してきました。現在活動している第3期メンバーは22人。カウンシルメンバーは、定期的に意見交換を行い、実態調査や講演会の実施など積極的に活動しています。

――全社で培われた女性活躍のベストプラクティスを事業部ごとに落とし込んでいる段階ということですね。

北原:そうですね。これまで育児と仕事の両立や女性のキャリア伸長などに力を入れてきましたが、新たに男女共通の課題として「仕事と介護の両立」に取り組み始めています。40歳以上の従業員に介護に関するアンケートを行ったところ(のべ3700人から回答)、「現在介護を行っている、あるいは介護経験のある人」は18.7%と決して多くはないのですが、「今後5年間で 介護をする可能性がある人」が82.5%、将来的に介護に関する不安を抱える人は97%にものぼりました。

 今後、団塊世代が75歳くらいにさしかかってくると 爆発的に介護人数が増えるといわれていますから、問題は切実です。40代といえば働き盛りで転勤もある。今のうちからいろいろな対策を打っておかないと重大な経営問題になりかねません 。昨年には初の介護セミナーを東京と大阪で行いましたが、申し込みがあっという間に埋まり、潜在的なニーズを痛感しました。

「介護と仕事の両立支援セミナー」を東京と大阪で開催

――2025年には、高齢化率が30%を超え、今後介護人口が加速度的に増えると言われていますね。今後どのようなロードマップで取り組んでいかれるでしょうか?

北原:まだ明確なロードマップはできていないのですが、ダイバーシティカウンシル活動の一環として、「家族で考える良い老後」をコンセプトにチェックリストをオリジナルで作りました。これは、「帰省する時に両親の状態をよく知り、家族で先の事を話し合っておくことが大切」という意見から生まれたもので、親の気分を害さないよう工夫しながらリスト化したものです。介護に関するeラーニングも作り、同時に展開しました。

――どんな反響がありましたか。

北原:eラーニングは全従業員を対象とし、受講期間の早い段階で100%という非常に高い受講率でした。数字にすると約1万人が受けたことになります。介護と仕事の両立サポートを進める上で、まずは「情報提供」と「情報共有」が重要だと考えています。介護保険とはどういうものか、ケアマネージャーがどんな役割をするかなど、実は知らないことがたくさんある。

 介護は待ったなしで訪れますし、育児と違って終わりが見えません。自分と同じ思いや経験をした人がいるとわかるだけで不安は和らぎますし、その上で、どういう観点で施設を選べばいいのかなど具体的な相談ができる場があれば心強いと思います。とにかく「 一人で悩まないでください」というメッセージを発信している最中です。今後も引き続き、さまざまな拠点で介護と仕事の両立のセミナーを開催していく予定です。経験者の工夫や声などをまとめてノウハウに落とし込む作業にも取り組み始めています。

最後に
インタビュー中にも触れたが、筆者は、働き方改革と同時に「働きがい改革」も必要ではないかと思う。従業員がキャリアのオーナーシップを持ち、主体的に働くにはどうしたらいいかということだ。経営にとって、従業員の働きがいを高めることは、労働時間削減や長時間労働是正と同時に大切なはずだ。その解のひとつが北原取締役のインタビューにはある。日立システムズでは、従業員調査の「会社への誇り」の数値の動向を見ており、エンゲージメントが重要なKPIになっている。それを高めるためにあえて昔風の運動会もしているという。「働きがい」は「働き方」と違ってどう数値化するか難しいが、その点で参考になった。(麓幸子=日経BP総研 マーケティング戦略研究所長)

インタビュアー/麓幸子=日経BP総研マーケティング戦略研究所長・執行役員 文/西尾英子
(2017年6月1日にサイト「日経BPネット 」コラム 麓幸子の「ダイバーシティ&働き方改革最前線」に
掲載された記事を元に転載しています)

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Profile
麓幸子
麓 幸子(ふもと・さちこ)
日経BP総研マーケティング戦略研究所長
日経BP社執行役員。1984年筑波大学卒業。同年日経BP入社。88年日経ウーマンの創刊メンバーとなる。2006年日経ウーマン編集長。12年ビズライフ局長。14年日経BPヒット総合研究所長・執行役員。15年日経BP総合研究所副所長。16年日経BPヒット総合研究所長を経て現職。法政大学大学院経営学研究科修士課程修了。内閣府研究企画委員などを歴任。筑波大学非常勤講師。一男一女の母。著書に『女性活躍の教科書』『就活生の親が今、知っておくべきこと』など多数
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