「日経WOMAN 女性が活躍する会社ベスト100」でも常に上位にランキングされるジョンソン・エンド・ジョンソン(以下、J&J)。社員の有志グループ「Women's Leadership Initiative」による女性のネットワーキングや女性の活躍推進をテーマにしたセミナーを実施するなど、様々な取り組みを行ってきた同社。そんなJ&Jの女性の活躍をけん引するのが、J&Jグローバルのチーフ・ダイバーシティ・オフィサーのワンダ・ブライアント・ホープさんだ。グローバルで実施されているダイバーシティの施策やそのメリット、自身のキャリアや経験から、日本の女性たちが働き続ける上で大切にすべきことを伺った(前編)。
(インタビュアー/麓幸子=日経BPヒット総合研究所長・執行役員)
――日本では、いまだに「ダイバーシティがどんな風にビジネス上のメリットと結びつくのか分からない」「本当にメリットがあるのか?」といった声が、しばしば男性経営層から聞かれます。
Wanda Hopeさん(以下Wanda):企業経営者にとって大切なことは、ダイバーシティが持っている様々な価値を知ることだと思います。当然ながら、人口の半数は女性であり、彼女たちは大きな購買能力を持っています。その経済規模は、11.2兆ドルといわれているほどです。消費の担い手である女性のニーズを掴むことは、会社の繁栄を左右するものです。そのためには、女性がビジネスの第一線に参画し、持てる能力を生かして活躍することがビジネス上のメリットを生むことは明らかです。
私たちヘルスケア企業にとっても、女性の存在は非常に重要です。女性は家庭においてのチーフメディカルオフィサーであることを考えると、彼女たちのニーズをしっかりとらえ、満たしていくことが大きな価値に繋がります。