ピンチを繰り返し大きくリベンジする

 せっかく上向いていたチャートが、また大きく落ち込みます。しかも、20代の頃よりもより深刻な出来事が生じます。さまざまな人間関係に悩みます。信頼する部下の離反に遭遇したり、会社の事業そのものがピンチになったりします。倒産や失業を経験した人もいます。

 しかし、共通するのは、その後、また反転をしていることなんですね。またグッとラインが上向くのです。しかも、その落ち込みが深ければ深いほど、急激に反転し、今度は、「ゼロ」を飛び越して、「+80」とか「+100」など高い位置に到達します。

 メディアに登場して賞賛を浴びるキラキラしている女性はラッキーな人たちで、チャンスだけが訪れると思われがちだけれど、決してそんなことはありません。

 そういう女性たちも失敗します。いや、普通の女性より数多く失敗しています。しかも、その度合いも周りの人に与えるインパクトもより深刻です。しかし、そこからリベンジできる女性たちであるということなんですね。失敗やピンチ、逆境といわれる局面は誰にでも訪れますが、振る舞い方によって、これもまたその後の人生が大きく違ってくるのだなと思いました。

「順調なときなんてつまらないわよ。逆境やピンチがいいわ。私はピンチが大好きなの」

 冒頭に紹介したITベンチャー企業の女性社長は、その言葉の意味するところをこう説明してくれました。ビジネスで順調なとき――例えば商品がよく売れたり、仕事の依頼が続いたりするときは、そこから学ぶべきことは案外少ない。しかし、ピンチになったとき――例えば商品が売れず、予算や前年の売上を下回ってしまった、事業が赤字になってしまったときこそ、学ぶチャンスなのだというのです。

 なぜ売れなかったか。競合商品と比べてどこの魅力がなかったのか。ターゲットのニーズと合わなかった? 価格が高過ぎた? タイミングが早過ぎた?

 何がこのピンチを招いたのか。それを客観的に分析する。そしてその原因が分かれば、既にこっちのもの。その原因を取り除いたり、解決したりする施策を打てばよいのですから。失敗することによって、いつもは気付かなかった事業や組織の課題が分かるのだから、それを改善する好機となるということなのです。

次は絶対、打ってやる! (C) PIXTA
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