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「休日は休もう」建設業界全体で目指す働き方改革

2017年5月30日

建設業界で「4週8休」への働き方改革を推進する安藤ハザマ

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 労働環境の厳しさが取りざたされることの多い建設業。安藤ハザマ(東京都港区)の小野俊雄会長は、女性を含めた多様な人材が長く働ける土壌づくりと、「4週8休」に向けた働き方改革が今後の業界の発展に不可欠であると強調する。ダイバーシティマネジメントの重要性や協力会社を巻き込んだ実効力のある取り組みについて聞いた。

男女問わず技術者の確保が急務、昨年初の女性フォーラム開催

――小野会長は、ダイバーシティマネジメントの推進に熱心と伺いました。そもそも建設業界でなぜいま、女性活躍や働き方改革が必要なのでしょうか。

小野会長(以下、小野):働き方改革というのは近年、政府や財界をはじめいろんなところで声高に言われていますが、根っこにあるのは当然ながら、少子高齢化社会に向けて働き手をどう確保していくかという問題です。我々の業界においても、男性、女性ということを抜きにして建築や土木の技術者を必要数確保しないと、会社としての業態が保たれません。

 講演などで大学に行く機会がたまにあるのですが、今は土木工学の専攻でも学生の2割くらいが女性です。そういう現実を考えたら、社員を募集したときに似た比率で応募があって、それを受け入れるのは自然なこと。何も「女性を活躍させる」などと力む話ではありません。

 当社は30年ほど前から技術職の女性を採用してはいました。しかし残念ながら結婚や出産で退社するケースがほとんどでした。女性活躍の意味とは、いかにして長く勤めてもらうようにするかということだと私は考えています。入社したからには安藤ハザマの社員として、ごく普通に暮らしてほしい。そのためにこの2年ほど制度改革に取り組んでいます。

1972年九州大学工学部土木工学科卒業。同年間組入社。2003年同執行役員九州支店長。05年同執行役員関東土木支店長。同年常務執行役員関東土木支店長。07年代表取締役副社長。同代表取締役社長。13年安藤ハザマ代表取締役会長

――昨年の4月末には、会社で初めてとなる女性フォーラムが開催されました。

小野:主たる目的は、女性活躍の方向にみんなで向かっていこうという経営の意志を発信することだったと私は理解しています。

 社会の変化に対応するには、まずは女性も男性も意識を変えることが必要です。いくら制度が変わったとしても、それを利用しづらい雰囲気や環境では問題は解決しません。

 土建業は明治以降の約150年にわたって、一部の事務職を除けば男だけでやってきたという慣習がしみついています。男性もなかなか変わらないし、女性にも「そういうものだ」という意識があるかもしれない。

 みな一人の土木屋であり建築屋であって、男性だとか女性だとかは関係ない。出産や育児と言ったことだけは切り分けて別の制度で対応するが、そのほかについては原則同じだという意識でやっていこうという趣旨の話をしました。

2016年4月には同社初の女性フォーラムを開催
建設現場でも女性の登用は進む。右の写真は新入社員の模擬現場研修の様子

――休日の取得促進に注力していると伺いました。

小野:この2年ほど、飽きるくらい言い続けています。

 今から40年前は日曜をいかに休むかというのがテーマで、土曜に休むなんて考えたこともなかった。そこから徐々に土曜が半ドンになっていきますが、現場はそうなりませんでした。

 そういうことに慣れている人間が今も社内に半数いる一方で、若い世代はお金がすべてではなく、自分の時間も求めています。我々が変わらなければみな他の業界へ就職する。業界としても将来は明るくないわけです。

 働き方を変えるためにはいくつかのポイントがありますが、まず生産性を上げることを抜きには実現しません。ゼネコンはお客さんありきの仕事で、一度決めた工期というのは厳しいものです。休むためには生産性を上げて全体の帳尻を合わせることが必要になります。

 2点目は、現場で一緒に働く協力会社も同じ意識に変えなくてはいけないということです。私がつい1、2年前に協力会社とこの話をしたときは、全員難しいと答えました。というのも、作業員は日給月給制で働いているので、土曜が休みになって給料が減ったらみんないなくなってしまうと。

 そこで、私は日当水準や社会保険加入などの件も含めて協力会社と話をし続けました。今はだいぶ変わってきて、月に半分の土曜は作業を止めることにどこも賛成してくれています。

 協力会社については規模の問題もあります。1つの現場で小さい会社を20社使うよりは、大きい会社を3つ使ったほうが当然効率がいい。小さい協力会社をいかに大きくしていくか、または大きくなってもらうことで、いかに相乗効果を生むか。そういうところまで話をしています。

 土曜を休みにと言うと、我々の場合は交代で休んで結局現場はずっと働いているんですよ。それではだめなので、昨年の初めに全国に通達を出しました。日曜は当然休みで、なおかつ土木は土曜を月に2回、建築は月に1回現場を完璧に閉めること。結果は80%を超える実施率でした。

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Profile
麓幸子
麓 幸子(ふもと・さちこ)
日経BP総研マーケティング戦略研究所長
日経BP社執行役員。1984年筑波大学卒業。同年日経BP入社。88年日経ウーマンの創刊メンバーとなる。2006年日経ウーマン編集長。12年ビズライフ局長。14年日経BPヒット総合研究所長・執行役員。15年日経BP総合研究所副所長。16年日経BPヒット総合研究所長を経て現職。法政大学大学院経営学研究科修士課程修了。内閣府研究企画委員などを歴任。筑波大学非常勤講師。一男一女の母。著書に『女性活躍の教科書』『就活生の親が今、知っておくべきこと』など多数
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