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夫の転勤に付いて行っても同じ給料で在宅で働き続ける

2017年4月5日

現場の活発なコミュニケーションが定着率を高める――ケアサポート堀越社長

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団塊の世代が後期高齢者になる2025年には、日本は高齢化率30%となる。ますます介護事業の必要性は高まるが、同業界の大きな課題は人材の確保と定着だ。埼玉県「多様な働き方実践企業」のプラチナ企業に認定されているケアサポートの堀越社長に、定着率を高めるためにどのような施策をしているか聞いた。

夫の転勤帯同の女性のために在宅勤務制度導入、就業継続を支援

――ケアサポートは、2016年1月に埼玉県の「多様な働き方実践企業」最上位ランクの「プラチナ企業」に認定されていますが、介護業界の中での多様な働き方、あるいは働き方改革をどのようにとらえていますか。

堀越太志社長(以下、堀越):やはり女性が多い職場ですから、育休後の職場復帰やリタイアした方が復職できるような環境を整える必要があると感じています。現在、様々な可能性を検討し、対応している最中です。

 16年8月からは、在宅勤務をスタートさせています。本社の人事担当の女性職員なのですが、旦那さんの転勤に帯同することになったため、在宅勤務の体制を取ることにしました。

 そもそも在宅勤務制度があったわけではないため、細かな仕組みは今後整えていく必要がありますが、会社としてもスキルのある人材を逃さずに済むというメリットが大きいため、継続して働いていただくことがベストだと判断しました。雇用形態や給料は同じです。

ケアサポート代表取締役社長 堀越太志氏
1969年生まれ。1991年専修大学卒業。同年株式会社浦和土建工業(現株式会社UDK)入社。95年社会福祉法人敬愛会事務長。2002年ケアサポート株式会社設立、代表取締役社長に就任

――在宅勤務をスタートして、想定外だったことなどはありましたか。

堀越:いえ、トラブルも一切なく、むしろ意外と支障がないことに驚きました。本社に出勤するのは3カ月間に1度程度で、あとはスカイプなどで頻繁に連絡を取りながら、本社勤務の時と同じようなパフォーマンスで成果を出しています。

――多くの企業が、働き方改革の最重要課題として、長時間労働の是正を挙げていますが。

堀越:残業時間を改善するために、効率的なやり方を見直していくことも大切。介護の業界は、どうしてもボランタリズムが美徳とされるため、サービス残業が評価されるという風潮がありますが、それは変えていくべきです。

 特に今は、職業として介護を選ぶ層が圧倒的に増えているので、勤務時間を守れる体制を整えていく。現場が疲弊しないことが、よいサービスの提供につながりますし、職員に長く働いてもらえることにもなります。

――有給休暇の取得率はどうですか。

堀越:有休取得率は現在73%ですが、介護事業者のなかではよい方ではないかと思います。

――どういった取り組みが奏功しているのでしょうか。

堀越:2008年から社員のリフレッシュと年休取得率の向上を目的に、最大5日間の「リフレッシュ休暇制度」を導入しているのですが、2016年4月からは取得計画票を集計、予定のない職員に対しては取得を促し、有休取得率85%以上を目指しています。

 また、毎月31拠点の事業所に有休取得率を提出してもらい、5割を切っているところには、所長に直接指導をし、原因を明らかにします。人手の状況については、毎月本社でチェックをしており、マイナスの事業所には補充強化。余力があるところにはエリア内でヘルプに行ってもらうなど調整を行いながら、みんなが休暇を取りやすい環境を作っています。それでも人が足りないところには、採用を調整するなど、各部門で連携しながら進めています。

――現場の人員が足りているかどうかは、利用者数とのバランスで決まるのですか?

堀越:そうですね。月の平均利用者から割り出します。オペレーションに何人必要かというデータに照らし合わせながら、リアルタイムで人員の状況を確認できる仕組みになっています。

新卒の社員の定着にはチューター制度の効果が高い

――離職率が高いといわれる介護業界ですが、就業継続率を上げるためにどんな取り組みをしていますか。

堀越:介護の世界では、新卒者の2~3割が1年で辞めてしまうのですが、弊社の新卒離職は1割以下です。これは、「チューター制度」の効果が大きいと感じています。新卒社員には1年間、先輩社員が育成指導やサポートを担当します。仕事、プライベートを問わず、相談できることがメンタル面のフォローにつながり、壁にぶつかっても乗り越えやすいのではないでしょうか。新卒者も1年後には自分がチューターになれるように頑張ってほしいと伝えています。

――新卒社員が1年後にはチューターとして指導・サポートする側に回るわけですね。

堀越:教えることで一皮むける経験をしてもらう。それがひとつのキャリアパスにもなると思っています。ほかにも、適正配置や能力開発ができるように、いろいろな施策に取り組んでいます。例えば、希望すれば異動できる「キャリアチャレンジ」制度では、勤続3年以上を条件に、異動の希望に100%応えています。

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Profile
麓幸子
麓 幸子(ふもと・さちこ)
日経BP総研マーケティング戦略研究所長
日経BP社執行役員。1984年筑波大学卒業。同年日経BP入社。88年日経ウーマンの創刊メンバーとなる。2006年日経ウーマン編集長。12年ビズライフ局長。14年日経BPヒット総合研究所長・執行役員。15年日経BP総合研究所副所長。16年日経BPヒット総合研究所長を経て現職。法政大学大学院経営学研究科修士課程修了。内閣府研究企画委員などを歴任。筑波大学非常勤講師。一男一女の母。著書に『女性活躍の教科書』『就活生の親が今、知っておくべきこと』など多数
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