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社員の声で復活「グリーン運動」で共通の価値観を共有(3/3)

2017年3月15日

好事例共有で社員の意欲高く――グリーンハウス 執行役員萩原貴子氏

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好事例を募りイベントで表彰、キャリアパスを提示する目的も

――労働集約型の傾向が強い業界では、離職率の高さが大きな課題です。スタッフの定着率を高めるためにはどんなことが効果的ですか。

萩原:業態によってばらつきがありますが、弊社は比較的離職率は低い方だと思います。社員の離職率は1割を切っています。社員食堂などコントラクトフードサービスの業態は、今年70周年と歴史も長く、ロールモデルもたくさんいるので働き続けるキャリアイメージを描きやすいこと、社内に相談相手がいて、グリーン運動で提唱する「なくてはならない人になろう」を体現しようという目的意識を持ちやすいこと等が理由だと思います。

 ただ、提供できる食事やサービスが限定されていたり、直接お客様の顔が見えない病院や福祉法人などの職場は相対的に離職率が高い。志高く入社するもなんのために働いているか、モチベーションを維持しつづけられるように、キャリアの先をきちんと見せていけるようにいろいろな成功事例を共有化することで改善していければと思っています。

――どんなふうに成功事例を共有化しているのでしょうか。

萩原:グループ全体で好事例を共有するために、「なんかいいな、をプラスワンコンテスト」という「お客様」「働く仲間」「社会」「地球環境」という4つの信条に対する改善事例を発表する場を年に1回開催しています。全国の営業所が参加し、600~1000の応募の中からベストプラクティスを選んで表彰します。

 2016年度のプラスワンコンテストで1位に選ばれたのは、ある病院の事例でした(下の写真)。病院患者食の提供は、病院側で決められたメニューで食事を作り、配膳サービスは病院側の仕事ですので、直接お客様とお目にかかる機会も現場の社員はありません。お客様の顔が見えない中で食事を作り続けるだけでは、なかなかモチベーションを維持しづらい職場だったようです。

 そんな中、ある入院患者さんが、毎回食べ終わったお膳に感謝の気持ちをつづったメモを添えてくださるようになりました。そのメモやお手紙は毎食続き、退院されるまで全部で131通になりました。食事への感謝や病床での想い、若いころの思い出等々が毎回つづられており、当社の従業員にとってそれが励みになり、みんなのモチベーションも上がり、職場の雰囲気もよくなったそうです。すると、それぞれが工夫をして生産性も自然と上がり、業績アップにもつながった事例です。

 その方が退院する際に、看護師さんの計らいで直接お目にかかることができたので、当社の社員から色紙を渡して感謝の気持ちを伝えたそうです。「人に喜ばれてこそ会社は発展する」という社是の大切さを、改めてお客様に教えていただいた形となりました。

成功事例を共有化する「なんかいいな、をプラスワンコンテスト」を毎年開催。写真は2016年一位に選ばれた事例

――働き方改革についても取り組みを教えてください。

萩原:長時間労働をどう改善するかは、今後も重要なテーマです。現在は、労働時間を集計し、月の中日くらいに営業責任者に情報を渡して現場のスケジュール調整をしてもらうなど、会社としてやるべきことを地道に努力しています。今後も人材不足が続くことや、育児・介護など時間制限のある人たちがもっと活躍できる環境を整えるためには、今までの働き方をどう変えていくのか、現状の改善という視点からもう一歩大胆に考えないと解決策は出てこないと思っています。

 我々のコアなフィールドである営業所での働き方の改善・改革こそが重要な課題ですので、現場と一体になって知恵を絞り、具体的な成功事例を作っていければいいなと思っています。

<最後に>
どこの企業でも人材不足が大きな問題だ。特に労働集約型産業は人材獲得、そしてその定着に悩んでいる。しかし、グリーンハウスの場合は、離職率が低いという。それはなぜだろうというのが一番知りたかったことだ。そのひとつの解として萩原さんが見せてくれたのが携帯できるような名刺大のミニ小冊子。会議ごとに社是の唱和もするという徹底ぶりだ。そして感動的な好事例コンテストである。萩原さんのインタビューの中にリテンションマネジメントのヒントがたくさんあると思った。(麓幸子=日経BPヒット総合研究所長)

インタビュアー/麓幸子=日経BPヒット総合研究所長・執行役員 文/西尾英子
(2017年1月20日にサイト「日経BPネット 」コラム 麓幸子の「ダイバーシティ&働き方改革最前線」に
掲載された記事を転載しています)

『女性活躍の教科書』

女性活躍推進法や女性活躍推進のために企業がすべきことを分かりやすく解説。2015年版「日経WOMAN女性が活躍する会社ベスト100」の各業界トップの20社の戦略と詳細な人事施策も紹介している
著者 : 麓幸子、日経ヒット総合研究所編
出版 : 日経BP社
価格 : 1,728円 (税込み)

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Profile
麓幸子
麓 幸子(ふもと・さちこ)
日経BP総研マーケティング戦略研究所長
日経BP社執行役員。1984年筑波大学卒業。同年日経BP入社。88年日経ウーマンの創刊メンバーとなる。2006年日経ウーマン編集長。12年ビズライフ局長。14年日経BPヒット総合研究所長・執行役員。15年日経BP総合研究所副所長。16年日経BPヒット総合研究所長を経て現職。法政大学大学院経営学研究科修士課程修了。内閣府研究企画委員などを歴任。筑波大学非常勤講師。一男一女の母。著書に『女性活躍の教科書』『就活生の親が今、知っておくべきこと』など多数
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