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働き方を変えるにはクライアントの理解・協力もカギだ

2017年2月15日

お客様にもメリット 新しいワークスタイルを追求――アビーム岩澤社長

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2016年、「ダイバーシティ&インクルージョン」の推進に本格的に舵を切ったアビームコンサルティング。クライアントビジネスの場合、クライアントの状況に仕事が大きく影響を受けるため、働き方改革を進めるのが難しいと言われるが、岩澤社長は、「お客様と一緒になって働き方改革を推進し、お客様にもメリットがあることを示しながら新しいワークスタイルを追求していく」と決意を語る。

キックオフの全社推進フォーラムで大きく意識が変わった

――改めて、今、ダイバーシティ推進を加速させる理由を教えてください。

岩澤代表取締役社長(以下、敬称略):企業というのは、社会の中で価値を高めることを追求しなくてはいけないと思っています。企業の価値を高める要素のひとつがダイバーシティです。これまでの社会は、画一的な価値観を無意識のうちに追求してきましたが、今は多様な価値観を持つことが正しいという認識に変わってきました。社会の一員である以上、あるべき姿を示し、リスペクトされる組織でありたい。そう思っています。

――しかし、その一方で、企業は利益を追求していかなければいけません。ダイバーシティの推進が、どのように利益に結びついていくと思われますか?

岩澤:我々はコンサルティング会社ですから、人材が資産です。会社の成長に応じて、その人的資源をどう広げていくかは非常に重要。多様性を推進し、これまで事業を引っ張ってきた軸を、2軸3軸とさらに広げていくことで、企業としての力を最大化できると考えています。

1966年東京都生まれ。90年、東京大学農学部卒業。総合商社を経て、1997年アビームコンサルティング入社。2005年ABeam USA CEO、2006年製造/流通事業部統括責任者を経て、2007年より執行役員兼マネージングディレクター(Japan)に。2008年より代表取締役、2009年より現職

――9月5日の「全社推進フォーラム」では、170人以上の社員が参加したそうですね。このイベントを通じ、社長ご自身は、どんなことをお感じになりましたか。

岩澤:実は、私にとって大きな気づきがありました。パネラーを務めた女性リーダーたちを見ると、女性ということをあまり意識せず、ひたすら仕事に尽力してきた方が多かった。ある意味、彼女たちは男性と同じ働き方をしてきた人たちであり、女性の中ではある意味マイノリティーです。これまで我々は、性別で差をつけるとか、男女によって何かバイアスがかかるということもまったくなく、採用も昇進も同じようにやってきました。女性社員のアンケートでも、「この会社はダイバーシティが尊重され、非常にフェアである」という声が多く、私自身、その結果に満足し、誇りを持っていたんですね。ですが、それが盲点だった。あまりにも公平であったがゆえに、ライフイベントが訪れた女性にとって配慮に欠けていたのだと気づき、大きな意識改革になりました。

全社推進フォーラムでのパネルディスカッション。執行役員2人を含む アビームのロールモデルとなる女性たちが登壇し、キャリアの転機やリーダーとしてのやりがい、両立のポイントなどを語った。左より、岩井かおり執行役員、織田美穂執行役員、谷美代子氏、今野愛美氏

――フェアであることが、逆に女性への配慮のなさに結びついていたと。岩澤社長にとってパラダイムシフトだったのですね。

岩澤:言い変えれば、公平ということは単に男性に合わせていただけで、均一化されてしまっていたということです。ですが、ライフイベントが訪れた女性にとっては、これまでフェアだったことがフェアでなくなってしまう。それを改善すべく、ライフイベントを迎えた女性も公平でいられる仕組みを作ろうと試行錯誤している最中です。
まずは、社内の雰囲気作りを進めると同時に、両立支援の制度を根付かせていく。もともと制度面は整っていますので、それをしっかり運用していきます。そして、数年単位で明確なKPIを持ち、どう改善していくかを注視していきたいと思っています。

――KPIに関しては、何を重視しますか。

岩澤:具体的にはまだ決まっていませんが、新入社員からしっかり育成し、優秀な人にできるだけ長く働いてもらいたいので、女性社員比率や人数は重視したいです。様々な情報発信をすることで、女性活躍やダイバーシティに積極的に取り組む会社だと世間に示していきたいですね。

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Profile
麓幸子
麓 幸子(ふもと・さちこ)
日経BP総研マーケティング戦略研究所長
日経BP社執行役員。1984年筑波大学卒業。同年日経BP入社。88年日経ウーマンの創刊メンバーとなる。2006年日経ウーマン編集長。12年ビズライフ局長。14年日経BPヒット総合研究所長・執行役員。15年日経BP総合研究所副所長。16年日経BPヒット総合研究所長を経て現職。法政大学大学院経営学研究科修士課程修了。内閣府研究企画委員などを歴任。筑波大学非常勤講師。一男一女の母。著書に『女性活躍の教科書』『就活生の親が今、知っておくべきこと』など多数
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