生理痛の緩和、不妊症予防、美肌…ピルのメリット

 ピルのパワーは想像以上にすごかった! 「ピルは避妊薬としても優秀ですが、むしろ“治療薬”と捉えてほしいですね」と吉野さん。

 ピルのメリットは、大きく5つあります。

(1)女性主体の避妊

 ホルモン剤の一種であるピルを飲むと排卵がなくなり、子宮内膜が薄くなります。これによって女性主体の避妊が可能になり、望まない妊娠を避けることができます。

(2)生理トラブルの緩和

 女性ホルモンが低量で一定に保たれることで、PMS(月経前症候群)や生理痛といった生理のトラブルを楽にしてくれる効果があります。生理日を移動させることも可能なので、月経に振り回されることがなくなります。生理痛の治療薬として保険適応のピルも5種類あります。

(3)美肌効果

 ホルモンの乱れによって生理前に起こりやすくなる肌荒れを回避できるので、美肌になれるのもうれしいメリット。

(4)婦人病のリスク軽減

 排卵をストップさせ、子宮内膜を薄くすることで、卵巣がんや子宮体がん、エストロゲンの量をコントロールすることで子宮内膜症の予防・治療になります。子宮内膜症は不妊症の原因にもなりますが、ピルの服用でそのリスクを減らすことができます。

(5)妊娠・出産のコンディションを整える

 排卵を休ませて質のいい卵子を取っておくことができるので、将来の妊娠・出産にとってベストなコンディションを保っておける可能性がより高くなります。

「今じゃないけど、将来、子どもは欲しいと思う」 (C) PIXTA
「今じゃないけど、将来、子どもは欲しいと思う」 (C) PIXTA

「元プロサッカー選手の澤穂希さんも愛用者の一人とうかがっています。だからきっと大事な試合には生理がぶつからないようにできていたのでしょうし、37歳で結婚されてすぐに妊娠・出産できたのではないでしょうか。」(吉野さん)