働く女子たちをもっと元気にする連載「ビタミンシネマ」。夢とか願望とか、いつか叶ったら……なんてのんきなことを言っていませんか? 今すぐ自分や家族に、そして周りの人に対して思いっきり行動したくなる作品をご紹介します。こんな熱い人が身近にいたら、いいのになぁ。

余命宣告を受けてからの「やることリスト」がすごい

前向きなんて言葉を通り過ぎてるくらい遥か前方にいる人 (C) 2016「湯を沸かすほどの熱い愛」製作委員会
前向きなんて言葉を通り過ぎてるくらい遥か前方にいる人 (C) 2016「湯を沸かすほどの熱い愛」製作委員会

 本作は、予告でいきなり核心部分である「余命わずか」なことがわかってしまうのですが、何も問題ありません。むしろ、本編でもすぐにそれはわかります。

 宮沢りえさん演じる「双葉」が余命宣告を受け、絶望したと思わせておいてからの「やることリスト」作成、そしてそれを絶対に完了しようとする様子に涙が止まらなくなります。熱い愛がこれでもかとほとばしり、気がつけばラストまで泣きっぱなしになるので、とにかくハンカチ、いや、タオルが必須です。

【ストーリー】
銭湯「幸(さち)の湯」を営む幸野家。しかし、父が1年前にふらっと出奔(しゅっぽん)し銭湯は休業状態。母・双葉は、持ち前の明るさと強さで、パートをしながら、娘を育てていた。そんなある日、突然、「余命わずか」という宣告を受ける。その日から彼女は、「絶対にやっておくべきこと」を決め、実行していく。その母の行動は、家族からすべての秘密を取り払うことになり、彼らはぶつかり合いながらもより強い絆で結びついていく。そして家族は、究極の愛を込めて母を葬(おく)ることを決意する。

いつまでも先延ばしにできないことくらいわかってますよね?

この写真を見るだけで涙が出るくらい泣けます (C) 2016「湯を沸かすほどの熱い愛」製作委員会
この写真を見るだけで涙が出るくらい泣けます (C) 2016「湯を沸かすほどの熱い愛」製作委員会

 欲しいもの、食べたいもの、行ってみたいところ、やってみたいこと、挙げればキリがないくらいあると思いますが、いつかできたらいいなぁ程度に思っていませんか?

 本当は、「思っただけ」では絶対に叶わないし、実現しないことはわかってる。でもすぐに全力で取り掛かるほどの体力も気力も、そしてお金もないと言い訳していることって多いと思うのです。いつまでも先延ばしにできないことだと、実はちゃんとわかってる。言うだけならタダなので、欲しい、行ってみたいとか口にしている。

 でも、自分が余命2カ月と申告されたら?

 何が何でも叶えようとするし、自分のことだけでなく、大切な人の願いも叶えてあげようと思いますよね?