自分で選択したことは、誰のせいにもできない

プロペラ機ってものすごく揺れるから苦手です (C) Universal Pictures
プロペラ機ってものすごく揺れるから苦手です (C) Universal Pictures

 人間誰しも、相手に対する恐怖や魅力的な誘いから、長い物に巻かれてしまうことも時にはあるでしょう。力の強い人に取り入ることは、必ずしも悪ではないと思います。

 しかし、危険性をはらんでいることも忘れてはなりません。長い物に巻かれ、その結果相手に裏切られたとしても、どんな事態になったとしても、その選択をしたのは自分。誰のせいにもできません。

誰かを巻き込むなら責任は取れるか?

巻き込まれてしまう奥さんがこちらです (C) Universal Pictures
巻き込まれてしまう奥さんがこちらです (C) Universal Pictures

 どうせ自ら巻かれにいくのであれば、相手のビジョンに共感して参画するスタンスでいたいもの。そして、いつしか自分が誰かを巻き込む側に立つことも考えておきたいところ。

 巻き込まれた人も、それはそれで長い物に巻かれる選択をしたのだから自己責任だといえますが、自分が生み出すのであれば、負のスパイラルではなく、皆を幸せの渦に巻き込む存在でありたいですよね。

 本作にて、トム・クルーズ演じるバリーは、誘惑に負けてCIAに巻かれた結果、次々とピンチに巻き込まれてしまうことになります。長い物に巻かれることで得られるメリットの大きさからバリーに共感したくなりますが、その後のデメリットを考えると、先人のことわざもうのみにできないなと気付かされます。

 バリーはアメリカをはめたのか、それともアメリカにはめられたのか。ぜひ本編でお確かめください。

 それではまた。ご存じ、ゆうせいでした。

「バリー・シール/アメリカをはめた男」

10月21日(土)全国公開
配給:東宝東和
(C) Universal Pictures

文/永井勇成