うれしいときは、もっとハッピーに。悲しいときは、そっと隣に。落ち込んだときは、前を向く勇気を。そう、いつだって映画は答えを教えてくれる。働く女子たちをもっと元気にする連載「ビタミンシネマ」。1984年公開の大ヒット映画「ゴーストバスターズ」が、カッコよくなって帰ってきた!

“女だけ”で戦って、何が悪い?

 本作新版「ゴーストバスターズ」が“女性だけの”作品なことから、公開前の予告版では女性蔑視な批判が殺到。しかしいざ公開されてみると、全米ランキングで2位につけるなど、快調の様子。女性だけでゴースト倒して何が悪いの? 足手まといな男なんて、むしろNo, thank you!

ゴーストバスターズの専用車両、元は霊柩車!?
ゴーストバスターズの専用車両、元は霊柩車!?
【ストーリー】
ニューヨーク。コロンビア大学の素粒子物理学博士エリン・ギルバート(クリステン・ウィグ)は、世界で初めて心霊現象を科学的に証明する研究を重ねていた。しかし、大学側に一方的に研究費を打ち切られてクビに。その知識と技術力を生かすため、“幽霊退治”を行う会社「ゴーストバスターズ」を起業するが――。

お化け映画だと思っていたら4人のチームワークに魅了される!

 仕事って結局最後は一人でするものだと思っていましたが、この作品を見ると、やっぱりチームワークって最高だと再考することになります。

 ポスターや予告編からは、なんだか楽しそうな映画だけど……くらいの印象しかありませんでした。リケジョがゴーストを退治すると言われても、そもそも科学とお化けは正反対のところにいるんじゃ? とか思っていました。

 完全に油断していました。そんな思いは映画の開始とともにすぐに消えます。

 ゴーストは、います。

 そう言い切る感じでスッと入る冒頭から、ゴーストバスターズ起業までのスピード感はすさまじく、この展開の速さは売店で買ったポップコーンを食べるのを忘れるほどです。

 本当はゴーストの存在を信じているのに、物理学者として終身雇用を得たいがために自分に嘘をつくエリン。そんな主人公を思いっきりゴースト退治の世界に引き戻す親友のアビーと、その友人のホルツマン。そしてゴーストの目撃者だったはずなのに、流れで入社するパティ。この4人の起業ストーリーとも言えます。

左から、アビー、ホルツマン、エリン、パティ
左から、アビー、ホルツマン、エリン、パティ

 出世のためには少しくらい自分に嘘をついてもいいよね?
 出世よりも大事なことを見失ってない?
 あんたは私のことを全然分かってない!
 あんたが自分のことを一番分かってない!

 古い青春ドラマか漫画でしか見なくなった展開が、ストレートにぶつかり合いながらもコミカルに進むので、拒絶する間もなく、気がつけばどちらかが自分に見えてきます。

 本当はもっとやりたいことがあったのに……
 あの時、もっとちゃんと話し合っていればよかった……

 これが男同士で展開されると、どうしても汗臭くなって、殴り合いになって、そしてすれ違いが生む悲劇……みたいな展開になるところです。よく、男はハッキリしていて、女性は奥に秘めて、みたいな描かれ方が多いですが、逆です、逆。

 女性のほうがものすごくハッキリしていて、ストレートに伝えるので話が早いですよね。

 お化けを退治するトンデモ映画を楽しみにきたはずなのに、なぜか仕事観について考えさせられるから不思議です。こんな仲間と一緒に働きたい。そう思えるほど素敵でキュートな女性たちです。