ドリーは巨大な壁が立ちふさがっても、100%越えることだけを考える

 私たちは大きな問題に直面した時、それが大きすぎるとただ萎縮するばかりで、解決することを諦めてなんとか自分を慰める方向にシフトしがちです。

 自分を守るために、

・しかたがない ・できることはやった ・そもそも無理だった

といった言い訳を考える。

 誰もがそうです。

 どん詰まりで八方塞がりの状況に対して、自分ができることはもう何も無いと結論づけて、思考を停止しようとする。

ハンクよ、君は水がなくても大丈夫なのか?
ハンクよ、君は水がなくても大丈夫なのか?

 しかし、ドリーは違います。なんせ、失敗したことすら忘れますから。(本人は忘れたくないのでしょうけども)

 心配症で神経質なマーリンの静止を振りきって、ニモの応援を武器にして、そして本作に登場する謎のタコ、ハンクの協力を得ながら、ただ前へ前へと泳ぎ続けます。いろんなことを忘れてしまうからこそ、自分を信じて、わずかな手がかりを頼りに、事実を受け止めて、ひたすらまっすぐに。

 でもこれって、まるで私たちの世界と同じではないでしょうか?

 自分のやり方や考えを押し付けようとする上司や先輩をほどほどにかわしながら、いつも応援してくれるかわいい後輩を背中に、敵なのか味方なのかはっきりしない先方の担当者と渡り合って結果を出す。誰かのミスに騒ぎ立てることなく、自分の仕事に打ち込む。

 たまにはお酒の力を借りたり、おもいっきり泣いて、何もかも忘れようとすることもあるけれど、最後に頼れるのは自分だけってわかっているから。

 ドリーに対し、「辛いことをすぐに忘れることができていいよね」なんて嫌味を言ってたらボロボロ泣いちゃうことになりますよ。他人を責めず、自分も責めず、常に前向きなドリーに癒やされてください。

 どんな状況でも何か他に方法があるはず。これをドリーが私たちに教えてくれます。

 それではまた。

 ご存知、ゆうせいでした。

キュートなラッコが窮地を救う?
キュートなラッコが窮地を救う?
『ファインディング・ドリー』
7月16日(土) 全国ロードショー
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
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