大人の階段を上るということは
父の不貞を知ってしまったトーマスは、なんとその愛人に次第に引かれていくのです。しかし超えてはいけないラインを超えた先に待っているのは修羅場。そして超えたからには後始末をしなくてはいけません。それが責任を取るということ。現実と向き合い、そこで初めて人は成長すると言えるのではないでしょうか。
青くほろ苦い青春ストーリーの結末
トーマスが選んだ責任の取り方は、見ている人の賛否を問うと思います。私であれば選ばない方法でしたが、結果的にはトーマスは一つ大人になったはずです。
見ているうちに、これは誰も幸せになれない結末なんじゃないかと一抹の不安がよぎりますが、最後には見事な着地を見せてくれます。ネタバレになってしまうので詳しくは言えませんが、見ている人の期待をいい意味で裏切ってくれます。
不倫から抜け出せない父とその愛人、躁うつ病と戦う母、そして正体不明の隣人を巻き込んだ末にたどり着く、本当の人生とは?
単なる若者のほろ苦い青春ドラマかと思ったら、昼ドラをほうふつとさせる急展開が待っている本作品。しかし観る人のライフステージによって感じることが全く変わってくる、万華鏡のような映画です。画面から伝わるニューヨークの息遣いを、ぜひ劇場で体感してみてください。
それではまた。映画カタリストのゆうせいでした。
絶賛公開中
提供:バップ、ロングライド
配給:ロングライド
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文/永井勇成