株を買ったらすぐに株主になるわけではない

 実際に株主優待をもらうにはどうすればよいのでしょうか?

 ほとんどの企業は、決算のタイミングで株主になっている人に株主優待を提供します。これを「権利確定日」といい、この日の時点で株主であれば、株主優待をもらうことができます。権利確定日は年に1回ないしは2回あり、企業によって異なります。決算が集中する3月や9月に設定しているとことが多く、3月は741社、9月は394社(2016年11月時点の集計)あります。この時期はチャンス大といえますが、ほかの月に決算を迎える企業もありますので、よく確認しておきましょう。

 なお、12月に権利確定日を迎える企業は152社と、3月、9月に次いで多い水準です。今月も、株主優待をもらうには良いタイミングです。

 ただ要注意なのは、権利確定日に株を買えばよいというわけではありません。株を買ってから株主になるまでには、一定の時間がかかるからです。

 株式を購入するには、まず買い付けて取引が成立する必要があります。これを「約定(やくじょう)」といいます。ここで、1株あたりいくらで買えたのかが決まります。株式の値段「株価」は、株式市場がオープンしている間は常に変動しているので、「約定」して初めて、「1株あたり1000円で買った」といったことが決まるのです。

 その後、売買代金を決済しますが、これを「受渡(うけわたし)」といいます。受渡を完了して初めて、その株の「株主」になります。すなわち、ここまで完了してはじめて、株主優待がもらえるようになるのです。