「投資をすべき?」を考えるもう一つの基準

 ここまで読んで、「私は小心者だからやっぱり投資は向いていない」と思ったかもしれません。ですが、じゃあこれでもう一生、投資はしなくてよいかというと、そういうわけでもありません。今日チェックしたリスク許容度は、あくまでも「今の自分」を基準に考えたものだからです。

 お金の状況は時とともに常に変わります。それにつれて、自分の価値観も変わります。お給料が上がれば家計にゆとりができて、投資をしてみたいと思うかもしれませんし、転職を考えていたら、キャリアの見通しがつくまでは投資どころではないと思うかもしれません。年齢を重ねて、老後が近づいてくるにつれ、お金に対する不安感も変わってきます。あるいは、結婚をしたら収入や生活費の動きが大きく変わりますから、投資への考え方も変わるかもしれません。

 恋愛でも、年齢や経験を重ねるにつれて男性の好みが変わりますよね? これと同じように、お金との付き合い方でも、考え方は常に変化するのです。

 きっとこの先も、折に触れて「もしかして、投資をした方が良いかな?」と気になるときが何度かあると思います。その時は、もう一度その時の自分の状況や価値観に照らし合わせて、リスク許容度を確認してみましょう。

 自分のライフステージに応じて、お金との付き合い方を見直すのは、投資だけに限らず、貯蓄のしかたやお金の使い方でも大切です。増やすにせよ、使うにせよ、貯めるにせよ、その方向性のヒントは、お金を通して自分の人生をどう動かしていくのか?を真剣に考えることで、おのずと見えてくるはずです。

<参考サイト>
一般社団法人 全国銀行協会「あなたのリスク許容度診断テスト」

文/加藤梨里、イラスト/梶塚美帆

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