広報の醍醐味は「自社サービスと世の中の接点を増やすこと」

――「広報の醍醐味」とはなんでしょうか?

 社内外から広く情報を集めた上で、「自社サービスと世の中の接点を見つけていくこと」ですね。

 父の日や、11月11日の「いい買物の日」のようなイベントがあるタイミングは、接点を増やす絶好のチャンス。今年は「セルフ父の日」という、「お父さんが自らギフトを用意する」という企画を立ち上げ、多くのメディアで取り上げてもらいました。

 最もやりがいを感じるのは、そうした企画を通じて、自社サービスが浸透した瞬間。自分が手掛けた企画を友人が「見たよ」と言ってくれたり、サービス内容を知ってくれていたり。そうしたときは、「ユーザーにきちんと届いたんだな」とうれしく思います。

自分が手掛けた企画に対して、友人から「見たよ」と言われると、とてもやりがいを感じます
自分が手掛けた企画に対して、友人から「見たよ」と言われると、とてもやりがいを感じます

――反対に、大変なことは何ですか?

 広報担当となって約2年たち、「自分なりのやり方も確立できたかな」と感じています。一方で、「伝えたいことを伝え切れていない」ともどかしさもありますね。

 私たちが発信したいのは、Yahoo!ショッピングの品ぞろえの豊富さやお得さ。でも、それをそのままメディアの人々にアピールするだけでは、自分本位になってしまう。「ふと気付いたらサービスの魅力を知っていた……」というような、相手に寄り添った発信方法を見つけたい、と模索しているところです。

――それを乗り越えるために、どのようなことをされていますか?

 やはり、ヤフーの元社員の方や、他社の広報担当者と積極的に交流し、「外部の視点を取り入れること」ですね。自分とは違う考えや意見を知ることで、視野も広がります。

 単に、上がってきた情報を伝えるだけの広報にはなりたくない。自分なりに工夫して、より効果的な発信方法を見つけるのが今の目標です。

取材・文/工藤花衣 写真/吉澤咲子