収納は「場・形」を工夫して満足度アップ

 データによると、最もモノが散らかっている場所は、家族やモノが集まる「リビング」。収納に困っているモノのトップは「衣類」でした。「衣類の収納場所と言えば、寝室クローゼットという思い込みがあります。ところが、男性が帰宅後、服を着替える場所は26.7%がリビングです。他にも、コートを脱ぎ着するのは玄関、パジャマや下着ならバスルームの脱衣所。その動作を行うところに、必要なものを収納する場所を設けることが、収納問題を解決する一つの方法です」(河崎さん)

 続いて河崎さんは、収納場所の「形」が大切とも。「特に注目したいのが奥行。スペースは広くても奥行が深いと、奥に押し込んだモノが取り出しにくくなったり、見えにくくなったりします。家の中のモノは、布団以外のほとんどが50cmの奥行に収まります。奥行を浅くすることで、サッと取り出し、スッとしまえて、ぐんと使いやすくなるのです。また、全てを一覧しやすくなるので、家族全員がモノの場所を把握できるようになり、家事の手間を軽減したり、無駄な買い物を防いだりすることもできます」(河崎さん)

 すぐに実践できる方法として、河崎さんはモノの上下の入れ替えをアドバイス。日常的によく使うものは、目線に近い「アイエリア」、肩から腰の「ハンドエリア」といった楽に手が届く高さに収納。背伸びしたり、かがんだりする位置には、滅多に使わないものをしまうといいとのことです。

すぐに実践できる収納アイデアも紹介
すぐに実践できる収納アイデアも紹介

展示場やWebで住まいづくりのヒントをチェック

 講演の後半では、積水ハウスのモデルプランを示しながら、河崎さんが住まいづくりに役立つ情報を紹介。例えば、同社では収納問題を解決するプランとして、「リビクロ(リビングクローク)「シュークロ(シューズクローク)」「シンクロ(寝室クローク)という「収納3姉妹」を提案しています。「リビクロにはコンセントも付けて、家族のスマホやパソコンの充電ステーションとして活用。シュークロには、靴だけでなく子どもの砂遊びの道具なども入れると玄関がスッキリとします」(河崎さん)。

 「住まいを選ぶ時は、実際に見て、さらに体験してもらうのが一番。日経DUALのWebサイトでは、今回紹介した住宅以外にも、たくさんの実例を紹介しています。ぜひ『日経DUAL 積水ハウス』で検索して、チェックしてみてください」。また、積水ハウスの展示場では、最新の住まいのトレンドが実感できるのはもちろん、インテリアを素敵に見せる相談などにも対応。マンションや戸建てのリノベーションプランを紹介している展示場もあるとのことです。自分らしい住まいを目指す人には、参考になる情報が盛りだくさんの講演でした。

文/井上麻理子 写真/水野真澄