一つだけ美容液を使うなら、ビタミンCを

「ビタミンCはセルフケアで威力を発揮してくれます」(小柳さん)
「ビタミンCはセルフケアで威力を発揮してくれます」(小柳さん)

 クリニックには最新機器がそろっていますが、頻繁に通うのは難しいもの。やはり自宅での日々のお手入れが基本であり、大切です。そんなセルフケアで威力を発揮してくれるのが、ビタミンCなのだそう。シミ、毛穴、キメの乱れ、くすみ、ざらつき、ニキビ跡など、とにかくオールマイティに効果を発揮。4週間、ビタミンC配合の美容液を塗り続けると、シミの面積が20%減少したという報告もあるそうです。

 しかも、ビタミンCを口から摂取するのではなく、直接肌に塗布するのが重要とのこと。飲用では肌に充分に届きにくいというデータも出ています。ただし、やみくもに塗りたくればいいわけではないようです。

 「スポーツのイメージトレーニングのように、『あ、今ここにビタミンCが効いているんだな』とイメージしながらお手入れをすることが大切です」と小柳さん。「シミやくすみの元となるメラニンは、お肌の表皮の下のほうにあるメラノサイトというところで、酵素チロシナーゼの影響を受けて作られますが、ビタミンCは、このチロシナーゼの活性を阻害してメラニンを作らせないように働いてくれるのです。また、黒色化したメラニンに対しても、還元作用によってメラニンを無色に戻してくれる働きもあります」とビタミンCの効能を説明。

 「そして、毛穴に対しても、ターンオーバーを正常化し、皮脂の分泌を抑制することで、角栓毛穴や黒ずみ毛穴を改善したり、コラーゲン生成を促進してハリを与えることで、たるみ毛穴を防いでくれます。ターンオーバーが整うと肌のざらつきもなくなっていき、ファンデーションのノリが良くなるほか、ニキビ跡にも効果が期待できるのです」(小柳さん)

ピュアビタミンC美容液は質の良いものを

 オールマイティに活躍してくれるビタミンCですが、効き目を保ったまま化粧品にするのは非常に難しいようです。一般的に「ビタミンC配合」という製品は、正しくは「ビタミンC誘導体」という、ビタミンCを安定化させやすいように「誘導体」と呼ばれる物質を合体した成分を使っていることが多く、この誘導体部分が体内の酵素で分解されて初めてビタミンCとして働くため、肌の中で効果を発揮するまでに多少時間がかかり、「持続性のビタミンC」ともいわれています。

 そこで最近注目を集めているのが、「ピュアビタミンC」。特殊技術を使ってビタミンCそのものを安定化させて閉じ込めているため、すぐに肌に効く「即効型のビタミンC」といわれています。「少し高価でも、質の良い「ピュアビタミンC」を選ぶことが重要」と小柳さん。また、「朝、日焼け止めを塗る前」と「夜、就寝前の美容液として」1日2回以上肌に塗るのが賢い使い方とのこと。日中の防御力を高めるとともに、寝ている間の回復力UPにも効果的なようです。