いつでも快適な空の旅をサポートしてくれる客室乗務員(キャビンアテンダント・以下CA)さん。世界中の空を飛び回りながらお仕事をする彼女たちは、知性や品性に加え、健康的な体の持ち主です。
 どんなときにも笑顔を絶やさず颯爽(さっそう)と働くCAさんたちに、お仕事や生活で役立つさまざまなノウハウを教えていただくこの企画。今回のテーマは「チームワーク術」です。

初顔合わせのメンバーとの意思疎通スキル

 飛行機の中で見事な連携プレーを見せるCAさんたち。実は、常に同じのメンバーとともにフライトに臨むとは限らず、むしろ、初対面のメンバーと一期一会のチーム編成であることも多いのだと言います。

 こうした環境の中、スムーズに信頼関係を結びチームのパフォーマンスを上げるために、現場のCAさんたちはどのような工夫をしているのでしょうか。日本航空のCAとして23年の乗務歴があり、現場での指導育成に携わるサービスアドバイザーとしても活躍されている河野佳世(こうのかよ)さんに教えていただきましょう。

実際に機内サービスをしながら、現場のCAさんの指導も行っている河野さん
実際に機内サービスをしながら、現場のCAさんの指導も行っている河野さん

 「初顔合わせメンバーとともにチームの力を向上させるために必要なのは、まず、しっかりとコミュニケーションを取って信頼し合えるような雰囲気づくりをすることです」と河野さん。

 CAさんが目指すのは、お客様にご満足いただける、高品質なサービスの提供です。しかし、CS(顧客満足)を追求する前に、まず不可欠なのはES(従業員満足)。それぞれのメンバーが良好な人間関係を築き、お互いを認め合い、存分に力を発揮できるような土台をつくることが欠かせません。しかも、初顔合わせの後すぐにフライトに臨むことも多いCAさんたちには、この土台づくりにもスピードが求められます。

 初めてのメンバーとの良好なチームを、時間をかけずスムーズにつくりあげる。そのために効果的なこととは何でしょうか。

 河野さんは「シンプルで有効な取り組みが二つあります。まずは、名前で呼び合うこと。そして『ありがとう』という声掛けを大切にすることです」と語ります。