心の距離を縮め、業務ミスも防ぐ
「名前を呼ばずに、『チーフ』などの肩書きで呼んだり、『すみません』などと呼び掛けたりすることは避けたいですね。一度自己紹介をすれば、その後は『○○さん』と名前で呼びましょう。心の距離が縮まるだけでなく、互いの存在を認めることで業務のミスを防ぐ上でも役立ちますよ」(河野さん)
名前を呼び合うこと、そして、感謝の気持ちを示すということは、相手の存在をきちんと認識して向き合っているという証拠。たとえ一期一会のメンバーだったとしても、認め合う姿勢を互いに示すことで心地よい関係を築きやすくなるのだと言います。また、名前を呼ぶことで声出し確認になるため、ミスに気付きやすくなるという利点もあるのです。
メンバー間の意思疎通を円滑にする関係づくり
メンバーの力を引き出し、チームの力を存分に発揮するためには「言いやすい」関係づくりも重要。報告・連絡・相談を躊躇(ちゅうちょ)なくできるような関係性が理想的です。
とはいえ、「目上の相手だから言いにくい」「失礼だと思われるかもしれないから言いにくい」と、伝えるのがはばかられるケースもあるでしょう。
河野さんは、「言いにくいことを言いやすくする」効果的な方法があると言います。「相手ではなく、自分のこととして伝えればいいんですよ」。
「例えば、上司の服のシワを指摘したいとします。ストレートに『服にシワがありますよ』と言うのは避けたいですね。相手に恥をかかせたり嫌な思いをさせたりする可能性もあるからです。そこで、少し視点を変えて『私の服、シワになっていませんか?』と逆に尋ねてみてはいかがでしょうか」と河野さん。
その言葉を機に、相手は自身の服のシワも気になってチェックできるかもしれません。それに、この問いかけによって、たとえ自身の服にまで気持ちが及ばなかったとしても、関係が悪化することはないでしょう。