優等生が実社会に出ると、どうなるの?

 会社組織では、必ずしも合理性を追求する者が評価されるとは限らないからです。同様に、最も正義を行使する者、最も知識がある者、最も賢い者が重用されるとも限りません。ご褒美が努力量に比例しないのです。

 なぜなら、会社では別の力学――コミュ力、愛想、根回し、コネクション、(嫌な言葉ですが)女子力――といったものが、幅を利かせているからです。どれも、学問に励んでさえいれば快適に過ごせていた学生時代には習わなかったスキルばかり。

 ドラミ女子の中には、幼い頃から品行方正な優等生で、学校では何一つはみ出さず真面目にやっていたため、理不尽な目に遭うことが一切なかったという人もいるようです。

 しかし実社会とは、どれだけ真面目に、誠実にやっていても、容赦なく理不尽な仕打ちを受ける場所。理不尽な経験が少ないドラミ女子の場合、どんどん弱っていってしまいます。

 ドラミ女子は頭がよいので、理不尽の構造や組織の非合理、何がダメで何がネックなのかが、他の人よりずっとよく見えてしまいます。しかし社内で地位が築けていなかったり、年長者に煙たがられていたりする場合は、どうすることもできません。

 しかも社内を見渡せば、頭のよさではなく愛想のよさが評価されて活躍している人がいます。ドラミ女子は、表向きは平静を装っていますが、心の底ではどうにも納得がいかないことも。

 とはいえ「いい子であらねばならない」呪縛にとらわれた彼女たちの中には、嫉妬の感情は恥ずべきことだと思っている人も多く、それを表に出すこともできません。