ジョンソン・エンド・ジョンソンが総合1位を受賞

 総合1位に輝いたのはジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人グループ。性別・年齢・国籍などあらゆる多様性を尊重する風土がある同社では、トップダウンとボトムアップの両軸でさまざまな取り組みを進めており、ビジョンケアカンパニー代表取締役として日本法人グループ初の女性が就任するなど女性が多数活躍している。現在は女性社員比率30%、管理職比率20%だが、2020年までに女性社員比率40%、女性管理職比率30%を目標にしているという。

 代表取締役社長・日色保氏は、最初に創業時からの画像を見せながら、同社の女性活躍の取り組みについて説明した。現在同グループには全世界で12万7000人の従業員がいるが、同社は1886年の創業メンバー14人のうち約6割の8人が女性だった。その後も1907年に社員の自発的な活動グループ「ERG」が発足し、1989年に初めて女性社員が在宅勤務を実施するなど、時代の先をゆく同社の女性活躍の歴史に、参加者は大きくうなずきながら聞き入っていた。日色氏は最後に「一人ひとりがやりがいを持ってイキイキ働ける職場づくりが社員のエンゲージメントを高める唯一の方法であり、ビジネスの成長にもつながる。ダイバーシティとインクルージョンを経営戦略と位置付け、社員一人ひとりの力を最大限発揮できるよう支えることで、イノベーションを促進したい」と締めくくった。

ジョンソン・エンド・ジョンソン 代表取締役社長・日色保氏
ジョンソン・エンド・ジョンソン 代表取締役社長・日色保氏

 最後に、総務大臣・女性活躍担当大臣・内閣府特命担当大臣の野田聖子氏が登壇し、祝辞を述べた。野田氏が「この5年間、安倍内閣で女性活躍の取り組みを進めてきた結果、増加した就業者数250万人のうち約8割に当たる約200万人は女性が占めている。また上場企業における女性役員数は約2.4倍、女性管理職割合も過去最高となるなど、女性活躍は確実に進展してきた。ただ、男女間の賃金格差、家庭でのワンオペ育児の問題などまだ解決すべき課題も多い。そうした問題に取り組み、フェアネスの高い社会基盤を構築していくことが、私たち女性自身が望んでいる本当の活躍につながると考えている。大きな潜在力である女性がその能力を最大限に発揮して、日本の、ひいては世界全体の経済の成長につながるよう皆様と共に取り組んでいきたい」と力強く話すと、会場からは大きな拍手が湧き起こった。

総務大臣・女性活躍担当大臣・内閣府特命担当大臣の野田聖子氏
総務大臣・女性活躍担当大臣・内閣府特命担当大臣の野田聖子氏
【2018年版「企業の女性活用度調査」とは……】
「日経WOMAN」が1988年の創刊時から不定期に実施。今回で16回目を数える。
過去最高となる570社の回答を基に、評価、採点をしてランキングを出した。
企業における女性社員の活用の実態を
 1.管理職登用度
 2.女性活躍推進度
 3.ワークライフバランス度
 4.ダイバーシティ推進度
の4つの指標で測定し採点。

文/加納美紀 写真/辺見真也