こんにちは。ライターの大宮です。東京・丸の内の新丸ビル内にあるそば店で、外資系メーカーに勤務する桑原章子さん(仮名、37歳)と会食しています。都内の某酒場で、僕は章子さんと知り合いました。明るくて人懐っこい性格でお店のオーナー夫婦にも愛されている女性です。今回から4回にわたり、章子さんの恋愛ストーリーをお届けします。

 僕は見知らぬ人に話しかけたりするのが苦手なのですが、オーナーから章子さんをさりげなく紹介してもらい、お店で顔を合わせれば一緒に飲むようになりました。先日は、お店の常連仲間の女性が開いてくれた合コンで久しぶりに恋人ができたと報告してくれたのです。めでたい! 一杯ごちそうさせてもらいましたよ。

 良き酒場には良き出会いがある、というのが僕の持論です。おいしいお酒と料理を真面目に提供して、誠意のある接客をしているお店には、大らかで遊び心があって常識もある大人が集まりやすいですよね。その場限りのお付き合いで飲み交わしてもいいし、合コン仲間や恋人、結婚相手を見つけることも可能だと思います。僕の場合は、取材先を確保させてもらいました。

 「この連載のテーマは何ですか? 読者の人たちは何を期待しているのでしょうか」

 仕事帰りのスーツ姿でそば屋に現れた章子さんは、ちょっと緊張した面持ちで聞いてくれました。いつもは酒場でお互いに酔っぱらった状態で会っているのですが、今日はなんだか仕事モード。会社では法人営業として辣腕を振るっている章子さんは、プロジェクトの「ゴール」を共有することが習慣になっているでしょう。