5月19(土)~5月20日(日)に東京ミッドタウンで行われた「WOMAN EXPO TOKYO 2018」。「働き続けるためのキャリア棚卸しセミナー」セッションでは、パソナキャリアカンパニーの人材紹介事業部門で部長を務める岩下純子さんが、キャリアの棚卸し方法について、ワークシートを使いながら解説しました。

講師の岩下純子さん(パソナ 執行役員/パソナキャリアカンパニー人材紹介事業部門 女性活躍推進コンサルティングチーム部長)
講師の岩下純子さん(パソナ 執行役員/パソナキャリアカンパニー人材紹介事業部門 女性活躍推進コンサルティングチーム部長)

節目ごとの「キャリアの棚卸し」が自分の財産に

 忙しい毎日の中で、なかなかじっくり振り返る機会がない自らのキャリア。いざキャリアの棚卸しをしようとしても、「時間がない」「どこから手を着けたらよいのか分からない」という人も多いのではないでしょうか。

 講師であるパソナ 執行役員/パソナキャリアカンパニー人材紹介事業部門 女性活躍推進コンサルティングチーム部長の岩下純子さんは「長く働き続けるためには、きちんとキャリアの棚卸しをしておくことが必要」と言います。

岩下さん「人生100年時代といわれる今、恐らく70歳ぐらいまで働くことになるでしょう。でも、どんなに貴重なキャリア体験を重ねていたとしても、60代の時に20代のことを思い出すのは難しいですよね。折に触れて自分のキャリアを振り返り、しっかり記録しておくことが大事です。今日は3つのワークからキャリアの棚卸しをしてみましょう」

ワーク1 「職務経歴書」でキャリアを棚卸し

 キャリアを棚卸しするとき、岩下さんは「職務経歴書」を使うことをすすめています。「職務要約」「職務詳細」「自己PR」を書き出して整理することで、自分を客観的に見つめられ、「自分の強み」を把握できるからです。

 職務経歴書を書く場合は「4W+α」を軸に展開します。一つずつ見ていきましょう。

【WHEN(いつ)】
 その仕事をしていたのは、いつの時期か。または何年ぐらい仕事をしていたか。1社のみの経験でも部署異動、昇進、転勤などのタイミングに分けて書き出す。転職経験者は会社ごとに書き出していく。

【WHERE(勤務先)】
 勤務先の名称や所属していた部署について。業界・業種、従業員数、社風なども書き出しておくとよい。

【WHO(誰と)】
 社内外問わず、どんな人・誰と仕事をしていたか。部署(チーム)のメンバー構成や、自分がその中で担当していた役割についても書いておく。

【WHAT(具体的な経験や印象に残った出来事)】
 「どんな仕事」を「どのように進めてきたか」を書き出す。漠然と書くのではなく、デイリー、ウイークリー、マンスリー、ルーティンで行っていた業務内容を書く。営業成績や実績など、数字で示せるデータも盛り込む。

【+α】
 仕事を通じて得た技術やヒューマンスキル、思考力についても書く。そのときに発揮した「強み」、感じた「やりがい」についても書き出しておく。

岩下さん「一つのスキルを生かして50年間ずっと同じ仕事をすることも考えにくいですよね。どんな仕事をするときにも役立つのは、『経験に裏打ちされた強み』です。例えば『人間力』『実行力』など『○○力』と誇れるものを3つぐらい書き出せるとベストですね」

 ワークシートが配られると、参加者の女性たちは熱心にシートを書き始めました。

岩下さん「この『4W+α』を書き出そうとすると時間がかかり、かなりのボリュームになります。転職などの予定がなくとも、異動や昇進、昇格といった節目で職務経歴書はアップデートしておきましょう。できれば1年に1度はキャリアを記録しておくとよいですね」