東京ミッドタウン(東京・港区)で5月19日(土)~20日(日)に開催された「WOMAN EXPO TOKYO 2018」。5月20日には、「SPICE UP FITNESS」代表の岡部 友さんとモデルのKellyさんによる「働く女子のためのフィジカルトレーニング講座」が開催されました。聞き手は「日経ヘルス」の副編集長 白澤淳子さんです。抜群のスタイルを保っている岡部さんとKellyさんは、一体どのような筋力トレーニングを実践しているのでしょうか?

「トレーニングが続かない人」を変えた3つの行動

 モデルやタレントが自身のトレーニングメニューを公開するなど、フィジカル(筋力)トレーニングは今、女性にとって身近なものになっています。女性による女性のためのジム「SPICE UP FITNESS」代表の岡部さんによると、週に一度、何らかのトレーニングをしている人は40%以上に上るとのこと。しかし一方で、フィットネスクラブを退会する人も約37%もいるそうです。

 「運動を続けられない理由にはさまざまなものがありますが、特に目立つのは、0か100かで考えてしまい、できなかったときに諦めてしまう、という理由です。もし心が折れそうになったら、自分の時間を分析するところから始めましょう。自分で、運動のために割ける時間をきちんと確保してから始めることが大切です。0か100かで考えてしまうのは、失敗のもと。ライフスタイルは人それぞれ異なりますよね。自分のライフスタイルの中でどれくらい運動に時間を使いたいか。これを自分で決めることが重要です。そして、一度決めたら続けることがポイント。続けられるペースを見つけるために自分自身と向き合い、自分の時間を大切に行動できるようになると、運動も楽しく取り組めると思います」(岡部さん)

「SPICE UP FITNESS」代表の岡部 友さん
「SPICE UP FITNESS」代表の岡部 友さん

 そこで、これまでさまざまな女性を見続けてきた岡部さんに、フィットネスを習慣化するための3箇条を聞きました。

1.時間の優先順位を見直す

 まずは自分の自由時間がどこにあるのかを知るため、仕事や家事、トレーニング、趣味など、「やるべきこと」「やらなければならないこと」を書き出します。次に「やりたいこと」「やってみたいこと」を書き、それぞれの優先順位を決め、スケジュール帳に書き込みましょう。それぞれに対して、どれくらいの時間を当てられるかは、その人の生活次第です。ですが、やらなくてはいけないことをやった後に残った時間は、あなたにとってトレーニングにかけられる最大の時間。残った時間の中でトレーニングを「アポイント」だと考えて予定に組み込められるとベスト。アポイントだと思って手帳に書き込むと、「やらなくてもいいか」と思いにくくなります。

 なお、もし予定を完了できなくても、罪悪感を持つ必要はないそうです。スケジュール通りにいかなかったときは、優先順位を間違えてしまっただけのこと。「なぜできなかったのか?」を分析し、次にスケジュールを組むときの参考にしましょう。

2.正しい知識を身に付ける

 トレーニングによってコントロールできるのは筋肉であり、脂肪ではありません。脂肪がつきやすい場所は遺伝によって決まるため、コントロールが難しいといわれています。やみくもにトレーニングをするのではなく、自分の体に合ったトレーニングをしましょう。

 また最近はトレーナーの数が急増しており、「本物のトレーナー」を見抜く力が必要とされています。トレーナーを過信せず、自分でも知識を身に付けて二人三脚で筋力をつけましょう。

3.トレーニングは「自分と向き合う最高のツール」だと考える

 トレーニングをしているうちに、「運動を続けられている」という事実が、必ず自分の自信につながります。仕事で嫌なことがあり、運動をするモチベーションが保てなくても、時間的に余裕があるのであれば、いつも通りの習慣として体作りに励んでみてください。トレーニングへ行くことが面倒臭いと思うことはあっても、行かなくてよかったと思うことはありません。運動には不思議な力があります。

 大切なのは、トレーニングや運動の過程です。たとえモチベーションが上がらなかったとしても自分で決めた行動を遂行しましょう。環境に流されず自分基準で行動し、小さな成功体験を積み重ねていくことが成功の秘訣です。